株式会社ドコモ・プラスハーティ:障がい者雇用についてインタビュー

写真:富士山の間の窓から見える富士山の姿

前回は、NTTドコモグループの特例子会社「株式会社ドコモ・プラスハーティ」の業務内容・特長、障がいのある社員への支援プログラムなどについて紹介しました。
今回は、取締役業務運営部長の牛田様に、障がい者に対する配慮や工夫、今後の展望などをうかがいました。

聞き手:プラスハーティでは、知的障がいのある社員が多く働いていますが、設立の経緯について教えてください。

牛田:写真:インタビューに答える取締役業務運営部長の牛田様の顔写真年々、企業の障がい者雇用が注目されてきました。
しかし、ドコモグループ全体においての障がい者雇用率は低い傾向にありました。
そこで、弊社の前身である組織があったドコモ・サービス社が、知的障がい者の採用を始めたのです。
その後、この取組みを拡大させるため、ドコモグループの特例子会社を作ることになりました。
その際、われわれが力説したのは、特例子会社ができたから他のグループ会社は何もやらなくても良いという話ではないということです。
プラスハーティが知的障がい者を中心に採用し、そのかわり、身体障がい者や精神障がい者などは各社で対応し、グループ全体で雇用率を達成することにしたのです。

聞き手:次に、主要な業務を清掃とした理由を教えてください。

牛田:まずは、障がい者雇用をするために、新たに業務を作り出すというのは特別扱いになってしまうと思い、それは避けたいと考えました。
そこで、今ある業務の中で何かないか?と考えたとき、外部に委託していてかつ一番取り入れやすかったのが、清掃業務でした。
社員が自分たちの事務室を清掃している会社って、あまりないですよね。

聞き手:業務以外で、ここは力を入れているということはありますか?

牛田:写真:編集部員が牛田様にインタビューしている様子それは、障がいに対する理解促進です。
当社では、障がいのない社員には、障害者職業生活相談員の研修を全員必ず受けてもらうことにしています。
障がいの特性を理解し、障がい者との接し方など、最低限のことを学んでもらうためです。
そうすることで、お互いが話しやすい環境になり、作業がスムーズにできると思います。

聞き手:これまで、障がい社員と接している中で、印象的なことや気づいたことなどありますか?

牛田:公文式学習を取り入れていますが、同じ内容のことをどれだけ時間を短縮してできるようになるかを見ています。
徐々に、正答率も上がり時間も短縮していて、大変嬉しく思います。同時に、毎日の反復練習など積み重ねの重要性がわかりました。
また、国語の学習では論語の音読をしてもらっています。
そこで大きな声を出すことで自信もつきコミュニケーション力がアップし、ジョブコーチが出した指示も理解して行動する力も見についてきています。 写真:事務所内の壁に飾られている写真や表彰状の額それと、気を遣っていることとすれば、社員の通勤時の対応でしょうか。 社員はみな一人で通勤していますが、途中でトラブルがあったときには気を遣いますね。
事故などで電車が停まったりした場合、健常者は会社に連絡を入れ、場合によってはルート変更や自宅待機ということも臨機応変にできます。
しかし、知的障がいのある社員は、無理をしてでも出社しようとします。
通勤や退勤時に、なにかいつもとは違う事が起こった際には、まずは会社に連絡を入れること、その上で決して無理はしないで安全確保をするということを、常々話しています。

聞き手:一緒にいるからこそ感じられることですよね。 それでは今後の展望についてお聞かせください。

牛田:私たちとしては、ドコモグループ内で、清掃業務を拡大することと、障がい者対応相談窓口として機能していくことを考えています。
まず、清掃業務の拡大としては、これまでのドコモ品川ビル、ドコモ墨田ビルに続きドコモ代々木ビルやその他ドコモ自社ビルへの展開を進めていきます。
また、相談窓口については、一緒に働くことで培った障がい者への対応方法などを困っているグループ会社にアドバイスできないかと考えています。
それに加えて、障がい者雇用の支援もできればと思っています。
それには、どうしてもコストの問題などがありますので、今後検討していく必要がありますが。
いずれにせよ、私たちが行っている業務を通して、グループ全体の障がい者雇用を広げていきたいと思っています。

聞き手:障がいのある社員とない社員、お互いが安心して働くことができるようになるといいですね。
本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

イラスト:編集後記

ドコモ・プラスハーティは、既存の業務の中で働く障がい者を増やすというスタンスで、障がい者雇用のために新たな業務を創出しているわけではないという点が印象的でした。
そして、知的障がいのある社員を多く雇用し、社員教育にも力を入れています。
一人ひとりの能力に合った「公文式学習」は本人のやる気をアップさせているようで、ジョブコーチから名前を呼ばれて「100点」と大きな声をかけられた後、その答案を手に座席に戻ってくる姿は自信に満ちあふれていました。
一方で、健常者の社員全員には外部研修を受講させるなど、障がい理解に促進を進めています。
こうしたドコモプラスハーティのように、障がいへの理解が広がり、お互いが理解しあい安心して働くことができる企業が増えるとうれしいですね。

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