JIS X 8341-3とWeb Content Accessibility Guideline‐第13回‐

 
イラスト:秘書がホワイトボードのまえに立って「JIS X 8341-3とWeb Content Accessibility Guideline」をさしている
イラスト:秘書

秘書:ウェブアクセシビリティに関する規格として、JIS X 8341-3というものがあることについては、以前にご紹介しました。
それでは国際規格「Web Content Accessibility Guideline」があることはご存知でしょうか。
これは、多くの国々の企業や大学、その他団体が参加し、ウェブの標準化を行っている非営利団体「World Wide Web Consortium(W3C)」が策定したものです。
その名の通り、ウェブコンテンツをアクセシブルにするための要件を定めたガイドラインで、頭文字を取って「WCAG」とも呼ばれます。
WCAGには複数のバージョンがあり、現在2.0、2.1が有効な文書としてウェブ上で公開されており、2.2、3.0も検討されています。
中でも2.0は以降のバージョンのベースとなっている重要なもので、実はJIS X 8341-3とも深い関係があります。
どうやら見習い君も遅ればせながら、それに気付いたようです。

ウェブアクセシビリティ職人「見習い君」と「師匠」がアクセシビリティな世界を目指す
このストーリーは、新人ウェブアクセシビリティ職人「見習い君」とベテラン職人「師匠」、解説を担当する「秘書」を通して特に障がい者をはじめ身体的な制約がある方たちがウェブ利用時にどの様な障壁にぶつかり、どの様な工夫をして克服しているかなど「ウェブアクセシビリティ」の実例をはじめ「ウェブアクセシビリティ」と共に重要な「社会的アクセシビリティ」についても紹介していきます。

国際規格「Web Content Accessibility Guideline」

イラスト:疑問に思う見習い君の表情

見習い君:師匠、最近ちょっと気になったんですけど、JIS X 8341-3とWCAG 2.0の日本語訳って、ほぼ一緒な気がするんですが、なぜなんでしょう?

師匠:なんと…てっきり自分で調べて理解しているものと思っていたが…甘かったか。…嘆いていても仕方がない。この機会に説明しておくとしよう。

JIS X 8341-3 のバージョン 対応国際規格 詳細
2004年版 なし WCAG1.0を参考に日本独自のガイドラインとして策定
2010年版 なし(WCAG2.0) 2008年に勧告されたWCAG2.0に試験方法など日本独自の項目を加えて策定
2016年版 WCAG2.0、ISO/IEC40500:2012 日本独自の項目を削除し、国際規格と内容が完全一致

JIS X 8341-3の各版と国際規格の関係

イラスト:師匠

師匠:わかりやすくするために、JIS X 8341-3の各年版と国際規格をまとめた表を使っていくぞ。上の表の「対応国際規格」に注目して、説明していくとしよう。実はWCAG2.0は、JIS X 8341-3:2016と完全一致したガイドラインなのじゃ。

イラスト:悩んだ表情の見習い君

見習い君:ややこしそうですね…。お願いします。

師匠:まず、2004年版は、WCAG1.0など当時国内外で公開されていた、ウェブコンテンツの制作ガイドラインを部分的に取り入れまとめた日本独自のものだ。

見習い君:へえ、そうだったんですね。次の2010年度版も対応する国際規格はなしですね。あ、でもかっこ書きでWCAG 2.0になってますよ。なんでかっこ書きなんですか?

イラスト:後ろに腕をやる師匠

師匠:表にも書かれているが、試験方法など日本独自の項目を追加しているため、WCAG2.0とは一致していないのじゃ。

見習い君:へぇー。

師匠:反応が薄いのう。まあ、現在は使われはしないから無理もないが…。次はいよいよ、2016年版の説明に入っていくぞ。

見習い君:お、やっとですね。

師匠:2016年版の対応国際規格はWCAG2.0とISO/IEC 40500:2012じゃ。このISO/IEC 40500:2012は、2012年にWCAG 2.0がそっくりそのままISO/IEC規格化されたものじゃ。わかったか?

イラスト:疑問に思う見習い君の表情

見習い君:わかったような、わからないような…。ISO/IECって、何なんです?

師匠:日本を含む多くの国々の規格策定団体が加入している、国際的な団体のISOとIECが定める規格のことじゃ。まあ、外国でも通用するJISだと思っておけ。

見習い君:うーん、まとめるとどういうことなんです?

師匠:一行でまとめると、
「JIS X 8341-3:2016 = ISO/IEC 40500:2012 = WCAG 2.0」
といったところか。

見習い君:おお!なるほど!

師匠:やっと気づいたようで良かった。ちなみに、2.0をアップデートした2.1がある。2.0では不十分であったスマートフォン操作や弱視、学習障がいなどへの対応項目が追加されている。例えば、スマートフォンで画面が縦向きでも横向きでも使えるようにと「1.3.4 表示の向き (AA)」が追加され、弱視者への対応として、文字以外の部分にもコントラストに配慮する基準「1.4.11 非テキストのコントラスト (AA)」などがある。

見習い君:なるほど。配慮項目は増えているんですね。

イラスト:後ろに腕をやる師匠

師匠:更に、2.2や3.0の草案の作成が今も進められている。新しいWCAGがISOに採用されるとJISもISOと同じ内容に改訂される予定となっている。つまり今後は日本の基準としても、スマートフォン・タブレットへの対応が必要となるのじゃ。

イラスト:見習い君

見習い君:勉強になりました。今後もウェブページの制作を頑張っていきます!!

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