今日は1月17日です。阪神・淡路大震災から28年が経ちましたが、みなさんは災害にあったときのためにどんな対策をしていますか?
災害はいつどこで起こるか分かりません。しかし、車いすユーザの場合「避難」自体が難しい人がいます。
そこで、今回はナカ工業株式会社の降下型避難機器「UDエスケープWith」をご紹介します。ショールームも兼ねている埼玉県八潮市の東京工場にて、車いすユーザの編集部員が体験してきました。ぜひ、ご覧ください。
![写真:車いすに乗ったまま昇降機で降りている編集部員](https://www.u-x3.com/wp-content/uploads/2022/12/UD_mainvisual.jpg)
ナカ工業株式会社の概要
ナカ工業株式会社では、主に「避難・誘導・防災」に該当する建材製品の製造・販売・施工を行っています。
その製品の中には、職場や学校、集合住宅などの高層階で災害が起こった場合、車いすユーザでも下の階に素早く避難できるようにと造られた降下型避難機器「UDエスケープWith」などがあります。
「UDエスケープWith」の実力!
車いすユーザなどが高層階にいるときに災害が発生し、エレベータも使えなくなってしまった場合、どのようにして避難すれば良いのでしょうか?
そのような課題を解決するため、この降下型避難機器が作られました。
車いすユーザの編集部員が感じたポイントは以下のとおりです。
![ポイント1](https://www.u-x3.com/wp-content/uploads/2020/02/Point_1.png)
車いすユーザでも簡単に操作できる!
![写真:上ブタに車いすの前輪を乗せている、架台に乗りレバーを押そうとしている、レバーを握り架台ごと降りる編集部員](https://www.u-x3.com/wp-content/uploads/2022/12/UD_naka2.jpg)
上ブタのロックを車いすの前輪で押すと蓋が開きます。架台に乗り、停止線まで進んだら車輪をロック。左右どちらかのレバーを握るように押せば、安定感のあるスピードで降下します。
下の階に着いたら車輪のロックを解除し、車いすを後進して架台から降ります。
![ポイント2](https://www.u-x3.com/wp-content/uploads/2020/02/Point_2.png)
安心・安全に降下避難できる!
![写真:架台から降りようとしている、降りた後に架台が浮いていく、高層階に戻る架台](https://www.u-x3.com/wp-content/uploads/2022/12/UD_naka3.jpg)
ショールームにある支柱の高さは約3メートル、編集部員の体重は車いす込みで約80キロ(注)。下の階まで、降りるのに要した時間は約20秒ほどでした。
下の階までの所要時間は支柱の長さと避難者の体重によって異なります。
動きがスムーズなので恐怖感はありません。避難するときの安全対策を考慮し、レバーから手を離しても止まることはありません。。
(注)支柱の長さは最大6メートル、耐荷重は30キロから220キロまで。介助者と一緒に避難することもできます。
![ポイント3](https://www.u-x3.com/wp-content/uploads/2020/02/Point_3.png)
電源がなくても動く!
![写真:上ブタが空いたところ、架台が上に戻っている、架台が上に到着する下からのアングル](https://www.u-x3.com/wp-content/uploads/2023/01/UD_naka8.jpg)
モータなどを使わないので、電力供給が遮断されていても避難することができます。架台が下がると支柱の重りが上がり、架台から降りると支柱の重りが下がるため、自動で架台が上に戻るという仕組みのカウンターウエイト方式を採用しています。
避難者が複数人いても繰り返し使うことができます。
「避難器具」との違い
消防法に定められている「避難器具」とは、避難はしご、緩降機(かんこうき)、救助袋、すべり台、すべり棒、避難用タラップ、避難橋、避難ロープですが、「UDエスケープWith」は、どれにも当てはまらない新しい仕組みのため、現時点で「避難器具」と認定されていません。
しかし、避難器具として充分な性能が認められた「特定機器評価品」ですので、安心して使うことができます。
会社情報
会社名:ナカ工業株式会社
所在地:〒110-0015 東京都台東区東上野2-18-10(日本生命上野ビル3F)
TEL:048-932-0191(営業企画管理部)
「ナカ工業株式会社」HPはこちら(新しいウィンドウが開きます)
<ご担当者からのコメント>
当社は、長年にわたり避難器具の自社開発、製造を行っています。
多人数が速やかに避難出来る、実用性の高い避難器具を考え続けた末に、降下する避難設備「UDエスケープ」の発想が生まれました。操作がわかりやすく簡単で、直ちに避難が可能です。
日頃の避難訓練などにも積極的に使っていただきたいと思います。
皆さんに体感していただけると、より一層避難がスムーズに行えます。
車いすユーザの中には、建物の高層階にいるときに災害が発生した場合、階段や避難器具を使うことが難しい人がいます。何らかの理由でエレベータが使えないこともあるでしょう。
また、スロープは付いている建物自体が非常に少ないのが現状です。災害時になると、自分だけ置いてきぼりをされているように感じる車いすユーザは少なくはないでしょう。
ナカ工業株式会社では、片まひや上肢障がい、子供を抱っこしているため両手がふさがって使えない方などの起立タイプも製造しています。
「UDエスケープ」は優れた製品として、さまざまな賞を受賞しています。今後、より多くの建物で採用されることを切に願っています!