映画「こころの通訳者たち What a Wonderful World」

2022年10月18日掲載

写真:映画のタイトル「こころの通訳者たち」が書かれたポスター 皆さんの中には、映画鑑賞が趣味という方もいらっしゃると思います。洋画や邦画、好きな監督の作品など観賞の選択肢もさまざまでしょう。
ところで、最近では「障がい」をテーマにした作品が増えてきています。ご覧になったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回ご紹介する「こころの通訳者たち What a Wonderful World」は、「聴覚障がい」「視覚障がい」の当事者へ届ける、手話と音声がコラボレーションしたドキュメンタリー映画です。まだ、ご覧になっていない方は参考にしてみてください。

映画「こころの通訳者たち What a Wonderful World」とは?

写真:出演者の方々が打合せしているところ 手話を目の見えない人に伝えるための音声ガイド(注1)づくりに挑戦した人々を追ったドキュメンタリーです。
耳の聞こえない人にも演劇を楽しんでもらうために挑んだ舞台手話通訳者(注2)たちの映像を、目の見えない人に伝える音声ガイドを作ろうと試行錯誤するメンバの姿を記録した映画です。

(注1)音声ガイドとは?
映画を見えない人にも楽しんでもらうため、映像の視覚的な情報を「言葉」で補うナレーションのことです。

(注2)舞台手話通訳とは?
演劇を聴こえない人にも楽しんでもらうため、舞台作品の進行に合わせて手話で台詞や情景を伝える同時通訳のことです。通常の手話通訳とは異なり、演出家の指導のもと、通訳者も1人の出演者として役者と同じ衣装を着て、舞台に立っています。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日:10月22日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショー
監督:山田礼於
出演:平塚千穂子 難波創太 石井健介 近藤尚子 彩木香里 白井崇陽
   瀬戸口裕子 廣川麻子 河合依子 高田美香 水野里香 加藤真紀子
配給:Chupki
上映時間:94分
「こころの通訳者たち What a Wonderful World」の公式サイトについてはこちら(新しいウィンドウが開きます) 写真:舞台手話通訳が手話をしているところ

実際に観た視覚障がい社員の感想

写真:監督と集合写真 私は、「音声ガイド」が、どのように制作されているのか知りませんでした。しかし、この試写会に参加させていただいたことによって、制作には多くの個性豊かな方が関わっていており、熱の入ったミーティングを繰り返すことにより、目の見えない人に映像コンテンツを伝える最適な表現を選び出していることが理解できました。
この作品に驚かされたのが、役者の手話通訳を行う「舞台手話通訳者」の映像に「音声ガイド」を付けようという取り組みが描かれている点です。
なぜそこに「音声ガイド」を付けるのか…。それはこの作品が解き明かしてくれるでしょう。
セリフと重なったとしても、「音声ガイド」が持つ伝える力は大きく、演劇は迫力あるものとして完成していました。
この取り組みにおいては、計り知れない苦労や葛藤もあったことと思いますが、それをしのぐパワーをもって、今後もユニバーサルデザイン映画の世界を創っていただきたいと思います。私も”映画は見るものだから”とあきらめず、さらに進化した「音声ガイド」に期待しつつ、映画鑑賞を楽しみたいと思います。

ご担当者からのコメント

写真:映画タイトル 本作ではいろいろな気づきを感じて頂けると思います。
耳の聴こえない人にも演劇を楽しんでもらうための「舞台手話通訳者」とはどういう人たちなのか。目の見えない人にとっての「音声ガイド」はどういう役割を果たしているのか。そして、人と人とのコミュニケーションについて。
見える人、見えない人、聴こえる人、聴こえない人たち個性豊かな顔ぶれによる「音声ガイド」づくり。難しいと言われても諦めずに対話を重ねながら、いつしか言語を超え、障害の有無を超えて、想いがひとつに繋がっていく。その様は生きづらさを感じる人が多い昨今だからこそ、勇気づけられるのではないでしょうか。
出演者たちの絆はさらに深まっています。出演者の一人、白井崇陽さんがある朝、一つの歌を届けてくれました。「ユウキノウタ」。新たに、聴覚障がい者の手話パフォーマ・Nyankoさんを迎え、手話のMVを制作中です。ワクワクの止まらない“ここ通”仲間たちの今後に、映画と共に乞うご期待ください。

イラスト:編集後記

写真:出演者たちとゆうゆうゆう編集部員の集合写真私は今まで数多くの映画を見てきましたが、ここまでさまざまな障がいに配慮した映画に出会ったことはありません。現在、「シネマ・チュプキ・タバタ」にて先行上映となっています。上映作品同様、館内も完全バリアフリーとなっているので、さまざまな障がいの方も安心して利用することができます。詳しくは、「シネマ・チュプキ・タバタ」の記事をご覧ください。
聴覚障がい者の私は、邦画に日本語字幕がついた映画がほとんど上映されていないため、映画館に行く機会があまりありません。最近では、期間限定で邦画にも日本語字幕がついている映画を上映する映画館が増えてきました。
しかし、日本語字幕に対応した映画は10%程度、音声ガイドに対応した映画は、それ以下というのが現状です。そのため、レンタルか地上波で放映されるかを待つしかありません。そのような現状に果敢に挑んだ作品「こころの通訳者たち What a Wonderful World」です。ぜひ、鑑賞しに行ってみてはいかがでしょうか。

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日本唯一のユニバーサルシアター「CINEMA Chupki TABATA」 についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

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