視覚障がい者もさわって楽しめる!ふれる博物館

「芸術の秋」を楽しもうと、美術館や博物館へ出かける方が多い時期になりますね。
しかし、視覚障がいがあると、見て楽しむことが難しい場合があり、行くことをあきらめてしまう人もいます。
そうした視覚障がい者でも楽しむことができる博物館があることをご存じでしょうか。
今回は、東京都新宿区にある日本点字図書館附属池田輝子記念「ふれる博物館」をご紹介します!
視覚障がいのある編集部員が実際に伺い、その様子をレポート!
ぜひ、ご覧ください。

画像:左がスペースシャトル、右がはやぶさ。それぞれをふれている様子

ふれる博物館とは

画像:最後の晩餐の展示物 平成30年4月にオープンした、レリーフ化した絵画を視覚障がい者が実際にふれて鑑賞できる、体験型の博物館です。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」などの絵画が展示される常設展とそのときどきで、企画展が開催されます。
平成30年12月22日(予定)までは、第2回企画展として「宇宙をさわる」が開催中です!

施設概要

名称:社会福祉法人 日本点字図書館附属 池田輝子記念「ふれる博物館」
共催:手と目でみる教材ライブラリー
所在地:東京都新宿区高田馬場2-3-14 アイ・ブライト2階
開館日:毎週水・金・土曜日(年末年始・祝日休館 臨時休館日あり)
開館時間:10時から16時
入館料:無料
電話:090-3247-7290(開館日のみ)
アクセス:JR山手線・西武新宿線・東京メトロ東西線 高田馬場駅下車徒歩10分
東京メトロ副都心線 西早稲田駅2番出口から徒歩7分
※駐車場は無し
「ふれる博物館」の詳細についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

視覚障がい当事者体験レポート!

今回、視覚に障がいのあるゆうゆうゆう編集部員が、ふれる博物館のスタッフの方に説明を受けながら体験してきました。

常設展「最後の晩餐」

画像:最後の晩餐をふれている様子 フロアに入ってすぐに体験できるのはアンテロス美術館(イタリア)の制作で、レリーフ化された「最後の晩餐」です。両手を広げて額縁をさわってみると大きいことがわかります。
絵の部分は石こうで作られていて、ツルツル感やゴワゴワ感などさわった感触で人の頭やテーブルの位置などがわかります。また、人の顔であれば鼻をさわるとどちらの方向を向いているのかが一触瞭然です。

企画展「宇宙をさわる」

ここからは、現在開催中の企画展「宇宙をさわる」をご紹介します。
この企画展は、国立天文台の協力で、宇宙にはどんな天体があるのか、地球を出発していろいろな天体などの模型をさわって感じられるようになっています。
下記の4つのコーナーに分かれています。

『宇宙に行く』

画像:大きな地球儀をふれている様子 旅の基点となる地球を感じるため、大きな地球儀をさわってみました。
ツルツルした面は海で、70%以上を占めていることが表現されていて、ほとんどが海ということがわかります。

画像:最後の晩餐をふれている様子 次に、宇宙に行き小惑星などを調査する、
ロケットや探査機にふれてみます。
大気圏に入ると、ロケットが爆発して分裂する部分もさわってわかるようになっています。
映画やドラマ化もされたことのある探査機の「はやぶさ」は、小惑星表面の試験片を採集するサンプラーホーンが特徴的でした。
スペースシャトルの模型もさわることができます。

『宇宙を調べる』

このコーナーでは、宇宙を調べる重要な方法として天体からの光を集めて見える望遠鏡の展示があり、ガリレオの屈折望遠鏡とニュートンが開発した反射望遠鏡をさわりました。
ガリレオの望遠鏡が発明された1600年初頭、人類は、望遠鏡という科学技術を手にすることにより、肉眼では見えなかった暗い天体や、詳細な構造を見られるようになりました。

画像:左がガリレオの屈折望遠鏡、右が北斗七星の展示物をさわっている様子

『太陽系の広がり』

最後の展示物は太陽系の模型で、距離だけを実際の1兆分の1に縮小したものでした。
距離もさわってみると、それぞれの惑星が太陽からどのくらいの距離にあり、この企画展で展示している探査機はどのくらい遠くまで行ったのかイメージがつきます。

画像:太陽からの惑星の距離が分かる展示物をふれている様子

『太陽系の大きさ』

その他、惑星の大きさをボールの大きさで表現し、そのボールをさわることで惑星の大きさが比較できるようになっています。

ふれる博物館のご担当者からのコメント

今年4月からオープンし、約半年がたちました。 ご来館いただいた方は、視覚障がいの方より、晴眼の方が多いかもしれません。「レオナルド・ダ・ヴィンチ」展で、各方面の学芸員のご来場が多かったのが印象的でした。
どのような工夫をしているのかを参考にしたいと訪ねて来られました。
文化芸術もこちら側をむきはじめている感じがしました。
現在の「宇宙をさわる」展では、・宇宙に行く・宇宙を調べる・太陽系の広さ・太陽系の大きさというストーリーをつけて展示しています。
その中でも、話題のイトカワの模型は感動のお声をいただいています。
また、北斗七星の星の並び方を地球側から見た触図と星の距離が分かるように小さな球体をうかべて宇宙からとらえた2方向であらわしました。
その他にもたくさんの工夫で、3次元情報をさわっていただき、たっぷりと楽しい時間を過ごしていただいています。

イラスト:編集後記

画像:編集部員が袋に入っている展示品をふれている様子 美術館や博物館などに展示されている作品は、目で見て鑑賞することが一般的だと思われます。ところが「ふれる博物館」では、作品を手でさわって鑑賞できるような施設となっています。
つまり、視覚障がい者であっても、個人差はあるかもしれませんが、触感をもって作品を楽しむことができるのです。
現在の企画展である「宇宙をさわる」では、太陽系の惑星の距離感や大きさの違いを、目を使わなくても理解することができます。
その他にも、宇宙探査ロケットの細かい構造など、さまざまな発見がありました。
中途で視覚障がい者となった私にとっては、見えていたときにはあまり興味を持っていなかった宇宙に対し新たな感動を覚えることもできました!
企画展は、約4ヶ月ごとに、新しいものになるそうです。次は何が展示されるのか楽しみです。
また、直接展示物にふれることができる博物館は、視覚に障がいがある方だけでなく誰もが楽しめるようになっています。今後、このような博物館が増えていくとうれしいですね。
開館日が毎日ではありませんが、土曜日も開館しているのでご興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょう。

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