一人ひとりに合った「できること」を大切にするクリナップハートフル

写真:クリ夫のパン屋の外観 東京都の荒川区にあるクリナップ株式会社の特例子会社「クリナップハートフル株式会社」。
さまざまな障がいのある社員が働いています。どのような業務を行っているのか、編集部員がその様子をレポート!
障がい者雇用の取り組みなども伺っています。
ぜひ、ご覧ください。

イラスト:ライン

クリナップハートフルの概要

本社:東京都荒川区西日暮里6丁目25番3号
設立:2008年2月8日
社員数:56名(うち障がい者数37名)2018年10月1日現在

主な業務内容

  1. 業務課
    • 給与計算係
      クリナップ本体社員の給与計算、勤怠管理、入社・退社や社会保険などの手続き、経理業務 他
    •  
    • 施設管理係
      クリナップ本社・関係子会社・荒川区の公共施設などの清掃、メール便や社内のデリバリーサービス 他
  2. 事業課
    • 事業推進係
      名刺作成、各種データ入力、カタログやダイレクトメール封入発送 他
  3. フードサービス課
    • パン・クッキーの製造販売
  4. いわき事業所
    • ビス袋詰め作業、工場施設などの清掃、廃棄物の収集運搬
「クリナップハートフル株式会社」について詳しくはこちら(新しいウィンドウが開きます)

地域貢献と社員が働ける場を作りたい

写真:クリ夫のパン屋の店内の様子たくさんの種類のパンが並んでいる

設立してから10年がたち、クリナップハートフルでは、さまざまな障がいのある社員が働いています。
その中で特に目を引いたのは、パン・クッキーの製造販売を手がける「クリ夫のパン屋」。
どんな様子で働いているかレポートします!

クリナップ本社からほど近い場所で、住宅街の中にある「クリ夫のパン屋」。
お店に入ると、明るい店内にはお惣菜系からスイーツ系までたくさんのパンが並び、焼き立てのいい香りがしました。
スタッフの方が「いらっしゃいませ!」と元気に対応。
伺った日はあいにくの雨模様でしたが、ちょうどお昼どきだったので、 近所の方やクリナップ本社の方などがパンを買いに来ていました。
周辺にはパン屋さんがないため、焼き立てパンを求めて賑わっているそうです。

その他、地元でのお祭りや保育園のバザーなどイベントがあると出店し、地域の方々と交流を深めています。
伺った翌日は商店街のお祭りがあるとのことでしたが、地域の方々に貢献したいという想いで、常に店長さんがアイディアを考えているそうです。

店長さんからのコメント

写真:店長の笑顔このお店には、障がいのあるスタッフが3名働いています。
主に、クッキーの袋詰めしているスタッフが2名、もう1名はレジ、品出し、パンを包む作業、掃除など様々な作業を行っています。
私が障がいのあるスタッフに対して気を配っていることは、常日頃から表情やしぐさなどを見て、臨機応変に対応することです。例えば、気持ちが安定していないと感じたときは、接客を行わず別の作業に従事してもらうなど工夫しています。
みなさんコツコツと作業することが得意なので、一つひとつの作業がとても丁寧です。
また来店されたお子さんと積極的に話をしている姿を見ると、大変ほほえましくいいなあと思います。
そしてなにより、素直で前向きに仕事をしていて、彼らの力をこれからも伸ばしていけるようにアドバイスしながら一緒に働いていきたいと思っています。

障がいのあるスタッフからのコメント

写真:働いてる障がい当事者のスタッフの笑顔ここで働こうと思ったのは、実習にきたときに、みなさんが親切にしてくれたからです。
主に、購入時にパンを包んだり、掃除やクリーニングをしています。
毎日楽しく働くことができ、特に最近はランチョンマットをきれいに洗えるようになり、やりがいを感じています。
お昼はお客様がいっぱいいらっしゃるので、パンを包むことが大変で雑になってしまうので注意したいと思います。
そういうことに注意して、これからも自分ができる仕事を増やしていきたいです。

社員が安心して働き続けられるように

写真:人気商品のクリ夫のアンパンクリナップハートフルの井上社長と矢吹部長に、障がい者雇用の取り組みなどについてインタビュー!

聞き手: クリナップハートフルさんでは、さまざまな障がいのある人が働いていますね。
特例子会社として障がい者雇用を始めたことについて教えてください。

クリナップハートフル: 写真:笑顔でインタビューに答える社長と部長の様子 もともと、クリナップ本社の清掃と給与計算を障がいのある社員に行ってもらっていて、さらに障がい者雇用を進めるために特例子会社を設立しました。
清掃から事務的なことまでいわゆる親会社からいただいている仕事を中心として、さまざまな障がいのある人を雇用しています。
さらに業務を拡大するために、食住文化に関わってきたクリナップだからこそできることはないかと考え、 2年前にフードサービス事業として「クリ夫のパン屋」を始めました。
クリナップ発祥の地域に貢献したいという強い想いがあり、場所は現在の荒川区西日暮里の土地としました。

聞き手: なるほど。 さまざまな障がいのある人を雇用していらっしゃいますが、どのような工夫をされていますか?

クリナップハートフル: 現在、社内にジョブコーチが1名います。
特例子会社ということで、職場でのサポートを考え、 仕事もしてもらいますが、障がいのある社員に指導をしてもらいたいと思っています。
それと、職業生活相談員の資格を他の社員に取得してもらうようにもしています。

聞き手:職場でのサポートや相談しやすい体制は、障がいのある人にとって必要だと思います。
何かクリナップだからこそという取組などありますか?

クリナップハートフル: そうですね。福利厚生の一環ですが、レクリエーション活動を積極的に行っています。
例えば、社員の誕生月に全体朝礼で「バースデーお祝い」としてプレゼントを贈呈しています。
それと、毎年社員旅行として「日帰りバス旅行」を実施し、社員だけではなくご家族にも来ていただいています。
社員が働き続けるためには、職場だけでなくご家族のサポートが重要と考え、これらを機会により交流が深まると考えています。

聞き手:なるほど。
職場だけでなくご家族のサポートを得るというのは、素敵な発想ですね。

クリナップハートフル: 弊社では、会社への入社時などではご家族の同席をお願いしています。
最初、契約社員で採用しますが、条件があえば正社員登用があることや 5年経過した社員の「無期雇用転換ルール」として「パートナー社員制度」を導入したことを説明しています。
この制度は、「有期契約」から「無期契約」にしただけではなく、その中でステップアップできるような仕組みです。
このような、正社員に近い制度やキャリアアップできることをご家族にご理解いただくと安心してもらえますし、 本人のモチベーションアップにつながると思います。
社員との交流では、新年会、歓迎会、夏フェスと懇親会を3回毎年実施しています。
今年の3月には、10周年の祝賀会を開催しました。

聞き手:働く意欲がわいてきそうな内容ですね。
工夫している中で特に印象に残っていることはありますか?

クリナップハートフル: 写真:インタビューに応える社長と部長の顔のアップ そうですね。
10周年祝賀会は、ホテルを貸し切り、永年勤続表彰を始め全社員参加のもと、開催しました。
そのイベントにむけて、冊子を作る人、当日の司会進行をする人、準備や手配をする人など、それぞれ役割分担を決めました。
そのほかにも、当日は手話を勉強している知的障がいの社員が、聴覚障がいの社員へ司会者の内容を同時通訳する役割を担い、しっかりと務めあげました。
職場では見たことのない一面を目の当たりにし、社員の新たな特技なども知ることができ、気づきの多かった周年行事になりました。

聞き手:さまざまな工夫をされていらっしゃいますね。
最後に今後の展望についてお聞かせください。

クリナップハートフル: 何が得意で何が苦手なのかを見極めることは課題ですね。特に知的障がいの社員が増えていますので、支援する社員を育成していくことも必要だと思っています。
やはり一緒に働いていくのですから、安心して長く働いてもらい、成長してもらいたいです。
そうすることで、社会でも成長していくことにつながると思います。
そして、障がい者雇用をさらに進めていくために、仕事を切り出していくことが大事です。
一人の社員ができるだけでなく、みんなができるようにしていきたいです。
今は親会社からいただいた仕事が大くを占めていますが、今後は外部からの仕事の割合を増やし、自立していけるように考えています。
社員が成長していくのと同じように会社としても成長して、社員が働き続けたいと思える会社にしたいです。

イラスト:編集後記

クリナップハートフルでは、まず社員に「毎日会社に来たい」と思ってもらうためのさまざまな工夫をしていて、一人ひとりのことを考えた温かい雰囲気の会社だと思いました。
職場のサポートというのは、多くの会社が取組んでいることだと思いますが、 家族を巻き込んでいく体制というのは、会社の規模や地域性などにもよるのかもしれませんが、さらに進んだ支援体制ではないでしょうか。
社員と一緒に考えて、一緒に成長していくというお話もとても興味深かったです。
住宅街にある「クリ夫のパン屋」さんも自然と笑顔になれるお店でした。
総菜パン、スイーツパン、季節ごとのおすすめパンなどバラエティに富んで、目移りしてしまうほどです!
お近くにお住まいの方は一度足を運んでみてはいかがでしょう。
障がいのある人も働きやすい職場が増えていくといいですね。

写真:左から店長、中央が障がい当事者、社長の3人の3ショット

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