多様な障がいのある人たちが働いている!東京都プリプレス・トッパン株式会社

今回は、凸版印刷株式会社の特例子会社「東京都プリプレス・トッパン株式会社」をご紹介いたします。
1993年6月に障がい者雇用の促進を目的とし、「東京都・板橋区・凸版印刷株式会社」の出資で設立された第3セクタ(注)で、重度障がい者を多数雇用しています。
この「東京都プリプレス・トッパン株式会社」をゆうゆうゆう編集部員が訪問し、業務内容や障がいのある社員への配慮などについてお話しを伺ってきました。
(注)国や地方公共団体と民間が合同で出資・経営する企業のこと。

東京都プリプレス・トッパン株式会社とは

イラスト:障がいの内訳円グラフ。身体(肢体不自由)43名、身体(聴覚)9名、身体(その他)4名、精神8名、知的20名、健常者23名、*重度障がい者50名(知的障がいの職業重度判定者を含む) 重度の障がいがあっても持っている能力を十分に発揮することができる、活力ある雇用の場の提供を目的として設立された会社です。
全従業員(107人)の8割が何らかの障がいがあり、その内6割が重度障がい者です。
多様な障がいのある人たちが自立して働けるよう設備面やソフトの面から様々な配慮がされています。
常に新たな可能性を追求しながら職域を拡大する「障がい者雇用モデル企業」を目指しています。

主な業務内容

凸版印刷株式会社の委託業務を主体に以下のような業務を行っています。

【DTP制作】

  • 割付指示書(レイアウト指定紙)通りに文字データ、イラスト、写真原稿など印刷素材を整理・加工し、組版・編集業務を行うほか、書籍や雑誌などの出版物全般の制作を行っています。

【ソフト開発】

  • 辞典・事典、情報誌を制作するための自動組版システムの設計から開発を行っています。
  • Webサイトや各種アプリケーションなどのクロスメディア対応のプログラム開発やデータ加工(コンテンツ)、データベース構築・運用などの業務を行っています。

【電子化・事務代行サポート】

  • スキャン時に発生するデータ内のホコリを除去して、原版通りの再現を行っています。
  • 写真のデジタル化(アーカイブ業務)、資料のシュレッダ、郵送物の封入封緘、仕分整理、員数チェック、PC入力などの多様な業務を行っています。

社内施設・設備について:

オフィス内

デスク間の通路間隔が2メートル離れているため、車いすでの交互通行ができます。
また、車いすメンバでも利用しやすいようにコピー機などのOA機器は低い仕様となっています。

写真:通路の広いフロアと車いすでも利用しやすいコピー機の様子。

出入口やエレベータと廊下

出入口のドアは、自動ドアかスライド式ドアとなっています。エレベータは、車いす使用者6人が同乗することができます。
また、廊下幅は2メートルあり車いすでの交互通行ができ、床上85センチの位置に手すりもあります。

写真:広々としたエレベータと車いす同士の交互通行が可能な廊下の様子。

トイレ、シャワーつきトイレ

男女共に2つの車いす用トイレが完備されていて、内1つはシャワー設備つきです。
車いすメンバが増えたため、一般のトイレにも簡易式の手すりなどを設置しています。 オフィス内からは、トイレ表示ランプでトイレが使用されているかどうかが分かるようになっています。

写真:手すりつきのトイレとシャワー、車いすトイレ表示ランプの様子。

食堂兼休憩室

テーブルは、体幹機能障がい者に配慮しぶつかっても衝撃が少ない円卓を使用しています。
車いすから降りて身体を伸ばせる畳スペースや、体重計、血圧計、空気入れもあります。
また、オフィスに向かうコーナーの柱には衝突防止対策として鏡が設置されています。

写真:丸テーブルと身体を伸ばせる畳スペースの様子。

駐車場

地下と地上に車いすの積み降ろしを考慮し、通常幅の1.5倍の駐車スペースを20台ずつ完備されています。
地下から屋上へのカーリフトも設置されていて、雨の日はどちらも屋根つきなので濡れる心配がなく安心して利用できます。

写真:地下の車いす用駐車スペースとカーリフトの出入口の様子。

その他

廊下には、手話の指文字がプリント貼られていて「1日ひとつ指文字を覚えてみませんか」と書かれています。
洗面台は、車いすメンバでも姿見ができるように可動式です。ATMは、目線が低くても困らないようボタン部分に鏡が設置されています。
また、もしもの災害のために非常滑り台もあります。

写真:指文字写真と姿見鏡。ATMのボタン部分の鏡と非常用ら旋すべり台の様子。

会社概要

会社名:東京都プリプレス・トッパン株式会社
所在地:東京都板橋区小豆沢1-16-2
従業員数:107人(2018年6月1日現在)
「東京都プリプレス・トッパン株式会社」についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

ご担当者からのコメント

イラスト:青い制服を着て働いてるみなさんのイメージ 東京都プリプレス・トッパンは、共存共栄=自立(社会参加)をモットーとした事業所で、多様な特性を持った社員が多数働いております。
障がいの有無、障がい特性を問わず一人一人が可能性を切り開いて社会と共生していくことを目指しています。
当社のバリアフリー環境は持っている能力を遺憾なく発揮してもらうための配慮から整備してあります。
知的・精神の雇用は少し遅れをとりましたが、JOBコーチ、生活相談員、メンタル相談員の配置など成長支援体制が整いつつあります。
今後も働くことを通して社会参加に意欲ある人を大切にしていきます。就労の一番の条件は、本人の働きたいという意欲からのスタートだと考えています。

社員の方々からのコメント

製造部 業務サポート担当
Aさん 2016年入社

写真:笑顔でインタビューに答えるAさんのアップ。 私が入社したきっかけは、特別支援学校の担任から薦められて実習させていただいたことからでした。実習では、シュレッダ作業をしていましたが、現在はpdf業務を行っています。
仕事はすぐには覚えられなかったのですが、周りの先輩たちに仕事を教えていただいて徐々に覚えていきました。みなさん、良く相談にも乗ってくれるので助かります。
会社では、自分でできる範囲内で目標設定を決めているのですが、その目標より実績が上回ると「明日も頑張ろう」という気持ちになります。
今後の仕事の目標として、学校で勉強してきた入力作業を行っていきたいと思っています。

製造部 IT開発担当
B課長 1996年入社

写真:ジェスチャーを交えて答えるB課長のアップ 私が入社した頃は、今ほど障がい者雇用は盛んではありませんでした。
仕事を見つける上での第一条件は、車通勤ができることでしたが、その条件に合う会社はほとんどありませんでした。当初は、職種などで選んだのではなく「仕事ができれば」という感じでした。
会社設立の間もないころに入社し、人数も今ほどいなかったのですが、開発系の良いところは障がいが重くても頑張れば仕事があるということでした。
私は、障がいの進行に伴って歩く距離が減り、車いすを利用するようになって両方の気持ちが分かるようになりました。
管理職となってからは、いかに多くの人を育てていけるかが課題です。同じ障がいのある当事者として将来的なアドバイスができればと思っています。障がいがあっても管理職になれる制度があるという環境はありがたいことです。

イラスト:編集後記

「東京都プリプレス・トッパン株式会社」では、様々な障がいのある人たちが働いています。そのため、毎朝のミーティングでは、手話やジェスチャーなども交えて行っているそうです。
設立時より、他の特例子会社に比べハード面では群を抜いていましたが、最近では多様な障がいのある人たちが働けるようにソフト面での充実も求められるため、課題が残るということでした。
他の特例子会社が、これから抱える課題をモデル企業としていち早く最初に解決する方法をきっと見つけ出してくれるような気がしました。
これからも「東京都プリプレス・トッパン株式会社」の取り組みに注目したいと思います。

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