もっとユニバーサルデザインの公園を!「みーんなの公園プロジェクト」

2013年06月18日掲載

『公園』は、大人から子どもまでさまざまな方が利用し、一緒に楽しさを共有できる場所です!
しかし、実際には、誰もが利用できるとは言い切れないかもしれません…。 障がいがあって利用することが難しい人もいます。
そこで今回は、ユニバーサルデザインに対応した公園の普及に取り組む「みーんなの公園プロジェクト」について、活動の経緯や内容をご紹介します。
ぜひ、ご覧ください。

イラスト:野原と森の中で子どもらが遊んでいる

みーんなの公園プロジェクトとは?

すべての子どもが、障がいの有無に影響されることなく、一緒に遊べるユニバーサルデザイン(UD)の公園 づくりを考える市民グループです。
ポイントは、「障がいがある子ども専用の遊び場ではない」点です。 障がいがある子どももそうでない子どもも、それぞれが自分の力を生き生きと発揮し、さまざまな友だちと一緒に遊び学べるインクルーシブな遊び場の普及を目指しています。

活動を始めたきっかけは?

アメリカで実践されていたUD公園の存在を知ったことです。
そこには、さまざまな障がいのある子どものための工夫はもちろん、みんなが快適に遊び場を利用できるようにするための工夫があふれており、地域の子どもに人気の高い楽しい遊び場でもあったのです。
これらの公園づくりを呼びかけたのは、「私も兄弟や友だちと一緒に遊びたい!」「すべての子どもが遊ぶ権利を持っているはず!」と声を上げた障がいのある子どもや家族たちでした。
2006年、「日本にもユニバーサルな公園を!」との思いを共有する特別支援学校の教員や大学のUD専門家らでグループを結成しました。
これまでの公園は「みんなのための場所」でありながら、実際には「みんな」の中に含まれない子どもたちがいたのではないか。
本当の意味ですべての人のための遊び場づくりを目指そうと、名称を「みーんなの公園プロジェクト」としました。

どんな活動をしているの?

さまざまな障がいのある子どもの家族や障がいのある大人、教育・保育の関係者、訓練士などにインタビューを行い、公園に対するニーズを調査しています。
また、子どもたちを対象に「夢のUD公園」のアイデア募集も行いました。

国内外のUD公園の調査

国内並びにアメリカ、オーストラリア、イギリスなど海外のUD公園を毎年訪れての実地調査や、海外で広がる先進的な取り組みについて関係者への取材等を行っています。
また、地元の公園で開催された地方博覧会では、自治体に協力し会場のUD改善に貢献しました。

公園のUDに関する情報の発信

HPを通じて、ユーザー調査の結果や国内外の公園レポート、海外のインクルーシブな遊び場づくりの指針等、収集したUD公園に関する情報を公開しています。
国際ユニバーサルデザイン会議等で活動を発表する他、自治体等へのUD公園づくりの提案も行っています。

UD公園の多彩な工夫の特徴
ポイント1

アクセシブルな遊び場

写真:少女が歩行器で遊び場を移送している模様

歩道と地面は、コンクリートや再生ゴムチップ舗装など素材や色を効果的に使い分けることで、車いす・歩行器のユーザーや視覚に障がいのある子どもを含め、誰もができるだけ自分の力で遊び場を移動できるようになっています。
 また、スロープや坂道では縁が数センチ高くなっていて、車いすやベビーカーの脱輪を防止するなど配慮されています。

ポイント2

インクルーシブな環境

写真:公園のブランコで子ども達が遊んでいるところ

誰もが利用できる公園であれば、さまざまな障がいがある子どもやない子ども、その親たちが公園に集まって思い思いに遊ぶことができます。
すると、小さな触れ合いがあちこちで生まれるようになって、公園では年上の子がダウン症の子どもと遊んだり、『介助犬』に興味津々の幼児が声をかけてきたり、「あっち、行ってみようよ!」と友だちの車いすを押してスロープを行く男の子がいるなど、自然な関わりが見られます。
また、遊具が豊富な公園であれば体を大きく動かす遊びだけでなく、いろいろな感覚を使う遊びや自分に合った挑戦レベルが選べるよう「選択肢」が豊富です。

ポイント3

安心・安全!

写真:木製の大型遊具モーメンツの様子

大きな事故につながる危険を取り除くだけでなく、多様な子どもがのびのびと遊べ、大人はリラックスして見守れるよう「安心と安全」に配慮しています。
機能性や安全性を追求するだけでなく、子どもがワクワクしながら遊びを展開できるよう「楽しさ」を重視しています。

今後の展望

現在のところ、モデルケースとなるようなUD公園の実現には至っていませんが、地道な活動を続けるうちに、ユニバーサルな公園や遊具に関する問い合わせが増えてきました。
各地でいろいろな方がさまざまな立場から公園のUD化に向けて行動を起こされていることを知り、とても心強いです。 また、障がいのある子どものお母さんたちからは、「ぜひこうした公園が早く実現し、広まってほしい。幼い時から遊びを通して子どもたちが自然に関わり合うことで、将来、障がいのある人とない人が一緒にいるのが当たり前の社会になるはず」という声をいただいています。
今後は、ユニバーサルな遊び場の普及に向けて情報の収集・発信活動をさらに充実させつつ、いろいろな人と協力して具体的な公園づくりにも貢献していきたいと考えています。

みーんなの公園プロジェクト

身近な公園をあらゆる子どもたちがもっと楽しめる場所に
「みーんなの公園プロジェクト」ウェブサイト (新しいウィンドウが開きます)
「みーんなの公園プロジェクト」フェイスブック (新しいウィンドウが開きます)

【住所】
〒700-0807 岡山市北区南方2丁目13-1
岡山県総合福祉ボランティアNPO会館2階 ゆうあいセンター

イラスト:編集後記

「みーんなの公園プロジェクト」の活動、いかがだったでしょうか?
公園=みんなで楽しむ場所、というイメージがあるかもしれません。
しかし、その「みんな」に加われない子どもたちもいるのです。
このような活動が広まり、公園を含め、障がいの有無にかかわらず、みんなで楽しく遊べる場所が増えていくことに期待したいです。

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