みなさんは、視覚障がい者を助ける道具をどのくらい知っていますか?
街中では、白杖、点字ブロック、信号機の音声案内などを見かける人も多いでしょう。では、会社内ではどうでしょうか?
企業における障がい者の雇用は年々増えていますが、障がい者のために設備を改修することはコスト負担になることから、雇用に踏み出せない企業もあるのではないでしょうか。
そこで、今回は工事不要で簡単に設置できる、視覚に障がいのある人の歩行を助ける道具「ココテープ」をご紹介します。ぜひ、ご覧ください。

「ココテープ」とは
「ココテープ」(視覚障害者歩行テープ)は、視覚障がい者の歩行をサポートする、屋内専用のテープです。
錦城護謨株式会社とPLAYWORKS株式会社が共同で企画開発し、2024年5月より販売を開始しました。
「ココテープ」は、幅48mmの柔らかい塩化ビニル製で、三角形の突起が製品幅の両端にあります。テープと床面の質感の違いや突起から、白杖や足裏で触れたときに立体的なラインを感じ取ることができます。
長さ3mのロールタイプと25cmのバータイプの二種類があります。普段からカバンに入れて持ち歩けば、出先で必要な時に使用でき、社内では、長いロールタイプをあらかじめ貼っておくことで視覚障がい者のストレスを緩和することができます。
製品仕様
【商品名】ココテープ:3mロール(1巻入り)
【長さ】3m
【質量】384g
【希望小売価格】4,950円(税込)
【商品名】ココテープ:25cmバー(2本入り)
【長さ】25cm
【質量】32g(1本)
【希望小売価格】1,200円(税込)
「ココテープ」のおすすめポイント3選!
誰でも簡単に、好きな場所に設置できる

従来の点字ブロックは設置に専門業者が必要でしたが、「ココテープ」は裏紙をはがして貼るだけで、特別な工具や技術は一切不要です。
フロアの状況に合わせて、必要な場所に誰でもすぐに貼り付けて利用できます。
また、万が一はがれてしまっても簡単に貼り直すことができて補修も簡単です。面倒な手続きや、継続的なメンテナンス費用もかかりません。
設置先がカーペットタイルであれば、ココテープの裏紙をはがした上からベルクロテープ(面ファスナー/マジックテープ)を貼ることで、貼り付けと取り外しがさらに簡単になります。フレキシブルに使いたい場面で便利です。
コンパクトで誰にでもやさしい設計

「ココテープ」は幅48mm、高さ6mmと非常にコンパクトなため、一般的な点字ブロックに比べて通行の邪魔になりにくく、多くの人が利用する場所でも安心して貼り付けておけます。特に、障がい者雇用を進める企業や施設では、他の障がいがある人への配慮も重要です。「ココテープ」は段差が少なく、車いすユーザが上を通っても車いすがガタつくことがありません。また、一般の点字ブロックと比べて幅も狭いため、足が不自由な人の通行の邪魔にもなりません。視覚に障がいのある人だけでなく、誰もが快適に移動できるユニバーサルデザインです。
好きな長さで多様なシーンで活躍!

「ココテープ」は柔らかい塩化ビニル製なので、ハサミで簡単にカットできます。
複雑な経路を案内する場合でも、必要な長さに合わせて自由に加工できるため、多様なルートに対応できます。
また、ロールタイプ(3m、約384g)も、バータイプ(25cm、約32g)も非常に軽いため、持ち運びがとても簡単です。
改装工事中のロビーや一時的な案内表示など、さまざまなシーンで手軽に活用できます。
当事者のコメント

全盲の私にとっては、慣れている職場でも、人や障害物を避け、周りの机やロッカーとの間合いを測りながらオフィス内を歩くことは集中力を要するため、急いで会議室に向かう際などには通路を外れて壁などにぶつかってしまうこともよくあります。
しかし、「ココテープ」を使うと、ルートに沿って貼られているだけで進行方向が一気に把握しやすくなり、また白杖の先を沿わせて歩いていると自然と石突が曲がり角に当たるようになっているため、安心して目的地へ向かうことができました。
安全かつストレスフリーな室内移動を実現してくれる、すぐれモノだと感じました。
ご担当者からのコメント
ココテープは、当事者が能動的に設置でき、また創意工夫いただけるアイテムです。
任意の長さにカットして、移動のガイドや停止ポイントの目印にしていただくなど、場所に合わせて自由にカスタマイズすることが可能です。
担当者一同、視覚障がい者が「ココテープここに貼って!」と気軽に言えるような社会環境づくりを目指して、日々活動しています。
※自宅以外でご利用の際は、設置前に施設管理者にご相談ください。
会社概要
会社名:錦城護謨株式会社
所在地:〒581-0068 大阪府八尾市跡部北の町1-4-25
TEL:072-992-2328(直通)
(ソーシャルイノベーション事業本部 バリアフリー推進課 ココテープ担当)
事業内容:⼯業⽤ゴム部品の⽣産・販売、軟弱地盤改良⼯事の設計・施⼯・管理、視覚障害者歩⾏誘導マットの製造販売・施⼯
「錦城護謨株式会社」HPはこちら(新しいウィンドウが開きます)
私は晴眼者ですが、社内で視覚に障がいのある社員が、曲がり角にぶつかる姿や、まっすぐ歩いているつもりが曲がってしまい、机にぶつかっている姿を見て、声をかけること以外にできることはないかと思っていました。
「ココテープ」は、安全にも配慮され、大きな手間やコストもかからないことから、当事者が気軽に設置の要望をだしやすいと思います。
特に、視覚に障がいのある人を雇用している企業や、新規の雇用を考えている企業は、視覚に障がいのある人がより働きやすい職場環境作りに向けて、「ココテープ」を取り入れてみてはいかがでしょうか。