バリアフリーな展示が充実している「日本科学未来館」

2024年01月09日掲載

2024年がスタートして1週間が過ぎました。「今年はどんな年になるんだろう…」と想像を膨らませている人も少なくないかもしれません。
最近では、科学技術の進歩もめまぐるしく、まだ先だと思っていたような未来もすぐそこまで来ているかもしれません。その科学を身近に感じられるのが、お台場にある「日本科学未来館」です。

今回、視覚障がい、車いすユーザ、介助の編集部員でこの日本科学未来館を訪問してきました。障がい当事者目線で、特におすすめしたい展示をご紹介します。ぜひ、ご覧ください。

写真:ジオ・コスモスの奥に編集部員3人がいる

日本科学未来館とは

写真:船のような形をした日本科学未来館の外観。提供:日本科学未来館 子供から大人まで楽しく先端科学技術を学べる体験型の国立科学館です。
「科学技術を文化として捉え、社会に対する役割と未来の可能性について考え、語り合うための、すべての人々にひらかれた場」という理念の元に2001年7月に開館しました。

日常生活の小さな気づきから地球規模の大きな気づきまで、来館する全ての人たちが、かなえたい未来を想像できるようにさまざまなイベントや展示を行っています。展示フロアには、「科学コミュニケーター」というスタッフが配置されているので、気軽に質問することができます。

7階のドームシアターとコミュニケーションフロアと展望ラウンジ(レストラン)

写真:レストランのスタッフが車いすの編集部員に配膳している 私たちは、レストラン「Miraikan Kitchen」でランチをしてからドームシアターへと向かうことにしました。
レストランはお会計後に呼び出しブザーを渡され、ブザーが鳴ったら取りに行くセルフサービス形式でしたが、車いすユーザの編集部員にはスタッフが配膳してくれました。

写真:ドームシアターの丸い外観、音声ガイドのイヤホンをはめている編集部員、車いす席、シナリオ

その後、ドームシアターで「バースデイ~宇宙とわたしをつなぐもの~」を鑑賞しに行きました。
通常、入口は6階なのですが、車いすユーザの場合はレストランと同じ7階が出入口です。今回は、みんな一緒に7階から入場させてくれました。車いす席は2席まで。専用の3Dメガネをかけると、高精細な映像を立体的に観ることができ、まるで自分が宇宙の中にいるようでした。

視覚障がいのある人には、音声ガイド(副音声)を貸し出しています。希望する人は、入場時にスタッフに申し出てください。
また、聴覚障がいのある人にはシナリオを貸し出しています。希望する人は、3階総合案内でスタッフに申し出てください。(筆談具あり)

そのほか、ドームシアターでは2Dで字幕つきの上映をしている作品もあります。

5階の常設展示(世界をさぐる)

写真:タブレット端末の大きなモニタに気になる世界地図のデータが現れている 私たちは、車いすユーザも見やすいように工夫されたタッチパネルがある「ジオ・スコープ」を体験。
自分の気になる駒を選択し、その駒を指定の位置に置くと、世界地図で過去や未来のテーマごとのデータを可視化した映像が流れます。

「こちら、国際宇宙ステーション」では、宇宙飛行士たちの実験や暮らしのアイデアが紹介されています。
特にトイレや専用の個室は、無重力のリアルな生活空間が見られます。年に数回行われる視覚障がい者向けのイベントで実際に触れることもできるそうです!
外側には宇宙飛行士のサインがたくさん書かれていました。

写真:宇宙飛行船の中の様子を手で触りながら確かめている編集部員たち

「プラネタリー・クライシス」のゾーン1では、気候変動による海面上昇に悩むフィジー共和国の美しい景色を見ている人を囲むような映像・音・風・振動でリアルに再現しています。まるで現地の人と対面で話しているような没入感があり、「他人事ではない」と訴えかけてくるメッセージは強く心に残りました。字幕もあるので、聴覚障がいのある人にもおすすめです。

また、ゾーン2では国や地域別に人口あたりの二酸化炭素排出量を木の球に見立てて、ボールネットに大小の違う木の球が入れられており、比較できるよう工夫されていました。視覚に障がいがある人は、実際に手で触れて確認することができます。

写真:モニタには海面が上昇して車いすの編集部員が腰まで海面に浸かっている、二酸化炭素排出量を模した木の球を触っている視覚障がいの編集部員

3階の常設展示(未来をつくる)

「ノーベルQ」では、ノーベル賞受賞者たちの問いが展示されています。QRコードを読み取ると、手話の動画でも見ることができます。
「ハロー!ロボット」では、さまざまなロボットと触れ合うことができます。感情表現ができるオリジナルロボットの「ケパラン」は、音声ガイドにも対応しています。メッセージが記されたうちわを見せて反応を楽しんでみましょう!

写真:QRコードで読み取った動画の画面、さまざまなロボット、押し車で歩く編集部員

「老いパーク」では、誰もが避けて通ることはできない老化現象が体験できます。視覚、聴覚、運動機能、脳の老化などは、実際に体感することによって「人には優しくしなければならない」と思うようになるのではないでしょうか。

1階のシンボルゾーン

「ジオ・コスモス」は、約1万枚の最新LEDパネルを使った直径6メートルの地球ディスプレイです。
見た目は、まるでリアルな地球のようです。宇宙から観測された過去90日間の雲の画像が映し出されています。

写真:ジオ・コスモスを眺めてスロープを下りる編集部員たち、スロープを下りる車いすユーザの編集部員、ガイドとスロープを下りる視覚障がいの編集部員

「ミュージアムショップ」では、AI無人決済やデジタルヒューマンサイネージによる商品紹介が見られます。また、有人決済のレジもあります。レジは、いずれも車いすユーザでも使いやすい高さです。
科学関連グッズや興味がそそられるオリジナル商品もたくさんあり、お土産に困ることはありません。

写真:ミュージアムショップの外観

地下有料駐車場

営業時間が7時から23時までの地下駐車場は、メインエントランスを正面に見て右側に出入口があります。全167台のうち身障者スペースは4台分、電気自動車(EV)充電サービスにも対応しています。(車高は2.1メートル以下の制限があり)また、地下1階駐車場内のエレベーター付近には一般のトイレと車いす対応のトイレもあります。

写真:地下駐車場入り口と身障者スペース

日本科学未来館ご担当者からのコメント

日本科学未来館は、アクセシブルなミュージアムを目指し、建物はもちろん展示体験や館内サービスにおける利便性の向上に取り組んでいます。
2023年11月に公開した4つの常設展示では、視覚に障害のある方や車いす利用者など、様々な方に企画段階からアドバイスをいただきながら制作を進めました。他にも、ドームシアターの映像コンテンツにおける字幕や副音声による音声ガイドの提供、視覚・聴覚障害者向けの展示ツアーなどを行っています。
これからも多様な人が楽しみ、交流できる未来館をみなさんと一緒につくっていきたいと思います。ぜひ、お気軽にご来館ください!

施設情報

所在地:〒135-0064 東京都江東区青海2丁目3番6号
TEL:03-3570-9151(代表)
開館時間:10:00から17:00(入館券の購入・受付は16:30まで)
休館日:毎週火曜日、年末年始(12月28日から1月1日)
(注)春・夏・冬休み期間などは火曜日も開館する場合あり
入館料:常設展(個人)大人630円 18歳以下210円 未就学児無料
常設展(団体)大人500円 18歳以下160円(団体は8名以上)
障がい者割引などあり(詳しくは下記HPよりご確認ください)
最寄駅:新交通ゆりかもめ「東京国際クルーズターミナル駅」下車、徒歩5分。または「テレコムセンター駅」下車、徒歩4分

「日本科学未来館」の公式HPはこちら(新しいウィンドウが開きます)

バリアフリー情報

写真:ほじょ犬などのピクトグラム、多目的トイレ、触図、貸出しの車いす、手話動画

最新情報は、下記の未来館HP「バリアフリー情報」をご覧ください。

「館内設備・バリアフリー情報」に関する公式HPはこちら(新しいウィンドウが開きます)

イラスト:編集後記

視覚障がい(弱視)のある編集部員から

写真:視覚障がいの男性編集部員 ここでは、宇宙に対する謎から、現在世界中で起こっている課題である地球環境や誰にでも訪れる老いなどを科学の視点で学ぶことができます。
視覚に障がいがあっても触って体感できる”科学”も多く、科学コミュニケーターが丁寧に説明してくださったので、十分に体験することができました。中でも、地球温暖化の影響で海面水位が上昇していってしまっているフィジーの状況を体験するコーナーでは、「振動」「熱風」などが使用されており、驚かされました。
ただし、やはり視覚情報が多いという現状は否めないので、介助者と一緒に来館されることをおすすめします。
スタッフがおっしゃるには、視覚や聴覚障がい者に対するアクセシビリティはまだまだ工夫の余地があるとのことでしたので、そちらにも期待したいです!

車いすユーザの編集部員から

写真:車いすユーザの男性編集部員 「科学」と聞くと、難しそうとイメージするかもしれませんが、生活のあらゆる場所で「科学」とは繋がっているということを学べました。館内は広くゆっくりと回れるように設計されています。車いす対応のトイレが、地下1階駐車場と各階にあるのも安心でした。
スタッフのみなさんが気軽に声をかけてくださったので、こちらからも質問がしやすかったです。
私たちは、上の階から順に各ゾーンを回ってきたのですが、特に5階から3階のオーバルブリッジを車いすで下りたのはアトラクションのようで面白かったです。等間隔で平場もあり、安全に考慮しながら「ジオ・コスモス」を眺めるといいでしょう。
1日いても時間が短いと感じるほど、科学の力で好奇心を刺激してくれる素敵なスポットでした!

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  • NTTアドバンステクノロジ(株)の「障がい者雇用などの取り組みインタビュー」ページへ

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