外出困難な障がい者が働いている「分身ロボットカフェDAWN ver.β」

東京・日本橋に、重度障がい者などが自宅からロボットを遠隔操作して接客を行う「分身ロボットカフェDAWN ver.β(以下、分身ロボットカフェDAWN)」が6月下旬にオープンしました。
今回、車いすユーザの編集部員がこのカフェで働く障がい当事者にインタビュー取材してきました。その模様をお伝えします。

写真:受付業務を行っているOriHime-Dと中心に右側に車いすユーザのゆうゆうゆう編集部員、左側にオリィ研究所代表吉藤さん

分身ロボットカフェDAWNについて

筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの難病や、重度の障がいがあり寝たきりの人が分身ロボットOriHimeを遠隔操作し、働いているカフェです。
当該従業員は「パイロット」と呼ばれ、約50名がシフト調整を行いながらオーダー・ドリンクサーブなどの接客を行っています。

カフェの運営は、分身ロボットOriHimeの開発を手がけている「株式会社オリィ研究所(以下、オリィ研究所)」が行っていて「動けないが働きたい」という意欲のある外出困難者の雇用を生み出すと同時に、社会参加を妨げている課題をテクノロジによって解決することを目指しています。2018年に東京都港区にある日本財団ビルにて期間限定でオープンし、大手町などでの実験的な運営を経て、今回常設実験店としてオープンにいたりました。

分身ロボットカフェDAWNは、予約が必要な75分入れ替え制のAエリア「OriHime Diner」、45分入れ替え制のBエリア「BAR & Tele-Barista」、いつでも利用できるCエリア「CAFE Lounge」の3エリアに分かれていて、「パイロット」はAエリアで接客を行っています。

イラスト:店内のエリア案内。中央にAエリア「OriHime Diner」、右上にBエリア「BAR & Tele-Barista」。右下にCエリア「CAFE Lounge」を表示している。

【店舗概要】

所在地:
東京都中央区日本橋本町3丁目8-3
日本橋ライフサイエンスビルディング3
営業時間:
10:00から19:00(ラストオーダー18:30)
店舗面積:
約300㎡(カフェエリア部分:190㎡)座席数 約70席
最寄駅:
・東京メトロ日比谷線 小伝馬町駅 徒歩4分
・JR総武線 新日本橋駅 5番出口すぐ
・東京メトロ銀座線 三越前駅 徒歩7分
・JR山手線 神田駅 徒歩10分
バリアフリー対応:
・車いすユーザに対応した店内の動線、什器・家具類の設計
・ストレッチャータイプ、電動を含む車いすに対応
・人工呼吸器などの医療機器や電動車いすの充電用に電源貸し出し
・オストメイト、介助ベッド附設のバリアフリートイレを設置
「分身ロボットカフェDAWN ver.β」HPについてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

分身ロボットOriHimeで接客を行うパイロット

写真:OriHime-Dがコーヒーを運んでいる

パイロットは、首都圏だけでなく北は秋田県、南は福岡県から遠隔操作を行っていて、場所にとらわれない働き方を実践しています。
彼らが接客を行うAエリアには、テーブル席に1台ずつ小型のOriHimeが設置されていて、テーブルに着いたお客様への料理説明から注文までの対応を行っています。また、食事が運ばれてくるまでの間、パイロットの自己紹介を行ったり、OriHimeが繰り出すジェスチャーを披露したりと会話を弾ませる演出を行っています。その他、テーブルまで飲み物を運ぶ役割を担っているOriHime-Dもパイロットが操作しています。身長が120センチほどあり、胸の部分にパイロット情報が表示されていて来店客と会話のほか、手を振るパフォーマンスを行うなどしてAエリアを和やかにしています。

3枚の写真:中央に「OriHime」右側に「テレバリスタOriHime×NEXTAGE」左側に「OriHime-D」

山形県在住のパイロットへインタビュー

ゆうゆうゆう編集部員のインタビューに対応してくれたのは山形県在住の「ミッツ」さん。
男性のみにおこる遺伝性の病気「球脊髄性筋萎縮症」の難病をかかえているそうです。元自衛官で在職中に発病しデスクワークを行いながら定年を迎え、退官後SNSのTwitterで「パイロットの募集」を知り応募、試験を経て採用されたと言います。
試験は自己紹介と志望動機の書類選考試験と面接だったそうで、分身ロボットの操作や接客事例についての研修を受けてから接客開始となるようです。なお、後日ミッツさんが採用担当の方に採用基準はどのようなことだったのか尋ねたところ、「パイロットとしてマッチングに適した方を優先して採用している」と言われたそうです。マッチングにあった方が採用されているようですね。

2枚の写真:左側はOriHimeをが左手を挙げながら自己紹介をしている。右側は車いすユーザのゆうゆうゆう編集部員がOriHimeに向かって話しかけている

業務については、時給制で分身ロボットカフェDAWNのスタッフが各パイロットの障がいや体調面などを考慮してシフトを組んでくれることになっています。ミッツさんのパイロット業務は、1日3時間ほどの場合が多いそうです。また、ミッツさんが業務で心掛けているところは、「メニューを聞かれた際にきちんと答えられること、自己紹介を工夫しながら分かりやすくしている」ということでした。

車いすユーザの編集部員が感じた現地の状況

取材当日は、近場のデパートにある車いす駐車場を借り移動しました。日本橋は高低差もなく歩道も広く作られているので移動はしやすかったです。店内の通路は車いすが通りやすいように広めに設計されていて、標準の車いすであればテーブル席も不自由なく利用できます。また、バリアフリートイレは、オストメイトやベビービッドも完備されており広々としていました。

3枚写真:左上にレジカウンター前を移動しているOriHime-D、右上に歩道から店内を映した様子、下側に分身ロボットカフェに協賛いただいた企業のPコーナーや、カフェで提供するコーヒー・オリジナルグッズなどを購入できる物販コーナーの様子。

イラスト:編集後記

「ミッツ」さんのほかにもみなさんパイロットとして楽しく自分の状況に合わせた働き方をしているようで、時折パイロットとして働いている人もカフェを利用しに来るそうです。パイロット同士の交流も生まれてきているようで、今度パイロット内座談会を開催したいとミッツさんは言っていました。

今回の取材では、Bエリア「BAR & Tele-Barista」で元バリスタのパイロットが遠隔操作する「テレバリスタOriHime×NEXTAGE」が、来店客の好みに合わせたコーヒーを目の前で入れてくれるところを体験できなかったので残念でした。しかし、料理はボリュームがありとてもおいしくいただけました、食事に関して飲み込みにくい人のためにきざみ食、食物アレルギーのある人へ特定原材料5品目(小麦、そば、卵、乳、落花生)を使用していないメニューなど配慮がある点が嬉しいと感じました。次回プライベートでまた行ってみたいと思います。

写真:ゆうゆうゆう編集部員が頼んだローストビーフのプレート分身ロボットカフェDAWNで食事を楽しむには予約が必要です。予約時にコース選択がありOriHimeを借りられるコースもあります。食事が終わった後3時間店外に連れ出すことができるので、どうしても外出できない家族や友人とネット回線でつないで日本橋、東京駅周辺のリモート観光を楽しんでもよいかもしれませんね。 ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。

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  • NTTアドバンステクノロジ(株)の「障がい者雇用などの取り組みインタビュー」ページへ

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