見えなくても、見えていても楽しめる! 手で感じて遊ぶボードゲーム「さんちゃん」

2026年09月15日掲載

写真:ボードゲーム「さんちゃん」の箱、盤面と8つの駒(×駒4個、〇駒が4個)

ボードゲームと聞くと、「盤面を見て遊ぶ」ことが必須だと感じる方も多いのではないでしょうか?
駒の位置を確認し、相手の狙いを読みながら次の一手を考える。そんなボードゲームの常識を少し変えてくれるのが、今回ご紹介する「さんちゃん」です。
「さんちゃん」は、視覚に障がいのある人もない人も、一緒に楽しめるように開発されたボードゲームです。以前「ゆうゆうゆう」で紹介した「目我天(めがて)」に続き、株式会社ギフトボックスが“触ってわかる”という発想を発展させて生み出しましたゲームです。今回はそんな「さんちゃん」の魅力をご紹介します。

「さんちゃん」ってどんなゲーム?

「さんちゃん」は、〇や×を縦・横・斜めに3つ並べて勝敗を競う「三目並べ」をベースにしたボードゲームです。
しかし、ただの三目並べではありません。一般的な三目並べは、上手い人同士がプレイすると、100%の確率で引き分けになってしまいます。
一方、「さんちゃん」では駒に表と裏があり、ゲームが進むと駒を移動しながら裏返していくため、引き分けにならない仕組みになっています。
最初の8手目までは通常の三目並べと同じように手持ちの駒を盤面に配置します。9手目以降は、すでに置いてある駒を空いているマスに動かし、そのたびに駒を裏返して配置しなければならないため、戦略の幅が広がったボードゲームです。

見えなくても楽しめる3つのポイント!

ポイント1
触ってわかる盤面

写真:盤面にある溝と溝の位置名「さんちゃん」の最大の特徴は、盤面や駒のマークが溝になっていることです。
そのため、視覚に障がいのあるプレイヤーでも、マスの位置や駒の形を指先で確認しながらプレーできます。
具体的には、盤面の下辺の中央に半円形のくぼみが1つあります。このくぼみがある辺を手前(正面)として見た場合、左からA・B・C列、上から1・2・3行で表します。
こういった工夫が施されていることから、ゲーム中は周囲のサポートが不要であり、自分自身で考えて駒を動かせることが大きな魅力です。

ポイント2
⃞が生み出す戦略性

写真:□の駒を強調「さんちゃん」には、なぜ⃞があるのでしょうか。
それはプレイヤーが考える戦略を「自分のマークを並べる」「相手の三目を防ぐ」だけでなく、「⃞でも勝利を狙う」「相手に⃞で並べられることを防ぐ」というように戦略性を拡張するためです。
さらに、自分が置いた駒の裏面を記憶しておくことが勝利のカギになるため、シンプルな三目並べとは異なる奥深さがあります。

ポイント3
最後まで勝負がわからない

「さんちゃん」の9手目以降は、駒を移動させながら裏返していくため、形勢が常に変化します。
プレイヤーは、自分の駒の裏面だけをあらかじめ確認できますが、相手の駒の裏面は確認できません。そのため、置かれている相手の駒の“どれの裏が何のマークか?”を予想する駆け引きが楽しめます。
「もう負けそうだ」と思った瞬間でも、一か八かで相手の駒を動かしてみると、自分のマークが揃い逆転することもあるでしょう。
さらに、⃞による勝利もあるため、最後の最後まで気が抜けない緊張感があり、シンプルなルールなのに何度も遊びたくなります。

2枚の写真:左は視覚障がい者Aと山本さん、右の写真は視覚障がい者Bと山本さんがボードゲーム「さんちゃん」の対戦を行っている様子

視覚障がい者Ⓐのコメント

写真:視覚障がい者Aの顔写真私自身、趣味でゲームを作成しているのですが、その際「視覚に障がいがあっても不利にならず遊べるか」、「記憶力や戦略と運要素のバランスが取れているか」を考えることに難しさを感じています。
その点、「さんちゃん」は“見えないこと”が一切ハンデにならず、記憶力を必要としながらも適度に運が絡み、短い時間の中でも存分に勝負を楽しめる仕組みになっていました。
障がいの有無に関わらず、会話を楽しみながら遊べるため、コミュニケーションツールとしても有用だと思います。

視覚障がい者Ⓑのコメント

写真:視覚障がい者Bの顔写真率直な感想としては、従来のボードゲームとは違って、“視覚に障がいがあっても、健常者とフェアに対戦できそう”というのが一番の印象でした。
3×3の盤面であれば記憶もしやすいですし、そこにさらに記憶違いという運要素が絡むことで、対戦ゲームでありながらも、相手と笑いあって楽しめる。そういったコミュニケーションツールという面も持ち合わせているのが「さんちゃん」の魅力と感じました。

ルール説明

事前準備

「さんちゃん」は、3×3マスの盤面と8個の駒を使ってプレイします。ゲーム開始時、先手は表面が「⃝」の駒を4個、後手は表面が「✕」の駒4個を持ちます。それぞれの駒の裏面には「⃝」「✕」「⃞」のいずれかが刻まれており、先手・後手ともに、⃝が1個、✕が1個、⃞が2個となっています。

写真とイラスト:2枚の絵から左に「さんちゃん」とゲームスタート時の状態と右には駒の構成

進め方

写真:ゲーム途中に先手と後手が2駒づつ打った瞬間

・交互に自分の持ち駒を1個ずつ盤面に置いていきます。このとき、表面を上にして配置します。

・9手目以降は、盤面上にある駒(自分の駒でも相手の駒でも)を1つ選び、空いているマスへ移動させ、これを交互に繰り返します。この時、駒は必ず裏返してから配置します。

写真:2枚の写真から左は先手、後手が4駒づつ打ち終わり、同点の状態。そして右の写真は同店の所から1駒を裏返しにして開いているマスに動かしている所

・ここが「さんちゃん」ならではの特徴です。駒を必ず裏返すため、これまで⃝だった駒が、⃞や✕になることがあります。移動先だけでなく、裏返した後にどのマークになるのかを記憶し考えることが勝負のポイントです。

・勝利条件:縦・横・斜めのいずれかに、先手なら⃝を3つ、後手なら✕を3つ並べれば勝利です。また、⃞が3つ並んだ場合は、その手番のプレイヤーが勝利となります。

写真:3枚の写真から勝利のパタン。左は3つの〇駒が斜めに並んでイス所、真ん中は3つの×駒が縦に並んでいる所、右は3つの□駒が横に並んでいる所

※「さんちゃん」にはひとつだけ禁じ手があります。手番の直前で移動された駒は、次の手番で元のマスへ移動することはできません。

会社情報

会社名:株式会社ギフトボックス
所在地:〒198-0102 東京都西多摩郡奥多摩町川井558-1
TEL:0428-85-2070
『株式会社ギフトボックス』についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

参考:
「さんちゃん」のバリエーション(新しいウィンドウが開きます)

イラスト:編集後記

写真:視覚障がい者A,Bと開発者が並んでいる所今回体験した「さんちゃん」は、視覚情報に頼らず、盤面を触って状況を把握しながら、自分で考え、作戦を立てて次の一手を選択できることが大きな魅力だと感じました。そのため、ゲームに主体的に参加し、自ら判断する楽しさを味わえるボードゲームになっていると思います。また、「さんちゃん」の面白さは、視覚障がいのある人もない人も遊びやすい工夫だけではありません。
⃞という第3のマークや、駒を裏返しながら移動する仕組みによって、誰が遊んでも夢中になれる戦略性があります。
障がいの有無に関係なく同じルールで向き合い、一緒に笑い、一緒に悩み、一緒に勝負を楽しむ。
皆さんもぜひ一度、目だけでなく指先でも盤面を感じながら、「さんちゃん」の奥深い勝負を体験してみてはいかがでしょうか。

『目我天』の記事はこちら

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