2026年6月12日、東京・有明の複合型エンターテインメント施設「東京ドリームパーク」に、没入型アート施設「REVE DES LUMIERES(レーヴ・デ・リュミエール)」がオープンしました。
壁から床までを巨大なスクリーンとして活用し、来場者を作品の世界へ引き込む体験型施設です。近年人気を集めているイマーシブ(没入型)コンテンツの一つで、決められた席から作品を鑑賞するのではなく、自ら空間の中を移動しながら楽しめることが特徴となっています。
今回は「移動しながら楽しむ体験型施設」と「大規模イベントホール」という異なる利用シーンに着目。車いすユーザーの編集部員が、REVE DES LUMIERESと、同施設内にある「SGC HALL ARIAKE」を実際に取材し、移動のしやすさや設備、観覧環境などを検証しました。
※東京ドリームパークは、テレビ朝日が手がける複合型エンターテインメント施設です。ライブや舞台、デジタルアート、飲食エリアなどで構成され、2026年3月にオープンしました。
光と演出の世界へ
施設へは2階エントランスから入館します。
「REVE DES LUMIERES」が位置するのは8階ですが、一般来場者向けエレベーターは6階までの運行となっており、通常はエスカレーターを利用して8階へアクセスする導線が案内されています。
一方で、車いす利用者や歩行が困難な方は、8階まで直通で利用できる優先エレベーターが整備されているため、階段やエスカレーターを使うことなく移動できます。
受付にはスタッフが常駐しており、案内や質問への対応も丁寧でした。ハード面のバリアフリーだけでなく、人的サポート体制も整っているため、初めて訪れる方でも安心して利用できる印象です。
イントロダクション
受付後、最初に訪れるのが「イントロダクション」エリアです。
ここでは、メインホールで上映される作品が生まれた背景や制作ストーリーを紹介しており、作品に込められたメッセージや表現への理解を深められます。
展示モニターは縦型で、比較的低い位置に設置されているため、車いすユーザでも無理なく鑑賞できます。なお、上映作品に変更がある場合でも、モニターの高さは変更されないため、今後作品に変更がある場合でも車いすユーザが鑑賞しやすい設計となっていました。
アトリエ
メインホールの前の空間にはアトリエがあります。アーティストの創作過程や技法に焦点を当てた展示空間になります。スケッチや資料、制作の裏側を紹介しており、作品が完成するまでの軌跡をたどることで、芸術表現の魅力や奥深さを感じることができます。
メインホール
施設最大の見どころが、このメインホールです。
天井を除く壁面と床一面に映像が投影されており、空間そのものが作品として機能しています。歩いているだけで自分自身が映像の中に入り込んだような感覚になり、高い没入感を味わえます。
鑑賞スタイルは自由となっていて、椅子に座ったり、床に腰を下ろしたりと、来場者それぞれが思い思いの方法で作品を楽しんでいました。
特に印象的だったのは、リクライニング機能付き車いすを利用している方にも楽しみやすい環境であることです。一般的な上映施設では視線の向きが限定されるため画面が見づらいことがありますが、ここでは壁面全体がスクリーンになっているため、姿勢や目線に制約がある方でも十分に映像世界を体感できます。

スパイラルシリンダー
スパイラルシリンダーは、メインホールの中心に位置する渦巻き状スクリーンです。
らせん状に張られた幕に映像が映されることで、光の演出が視界を包み込み、作品の世界に引き込まれるような独特の鑑賞体験を楽しむことができます。
スパイラルシリンダーの中に入るのにツールを通りますが、幅が広く車いすでも問題なく楽しむことができます。
中心部に移動する際も十分な道幅がとられているため、横幅のある車いすでも安心して移動できます。
メザニン
メザニンは、メインホールを上から見渡せる展望エリアです。
現在のアクセス手段は階段のみとなっているため、歩行ができるユーザは移動することが可能です。
インフィニット・ホライズン
インフィニット・ホライズンは、メザニンの下に設けられた幻想的なエリアです。
壁と床のスクリーンに鏡を組み込んだ空間です。合わせ鏡のような設計がされていることから、実際の空間よりも無限に広がるような演出が楽しめます。
360°キューブ
施設内でも特に高い没入感を体験できたのが「360°キューブ」です。
四方の壁だけでなく天井にも映像が投影され、さらに全方向から響く立体音響によって、作品世界の中へ完全に入り込んだような感覚になります。
天井方向にも映像が広がるため、視線移動が難しい方やリクライニング型車いすを利用している方にとっては、メインホール以上の没入感を得られる空間と言えるでしょう。
ショップ
館内にはオリジナルグッズを取り扱うショップも併設されています。
通路幅は十分に確保されており、混雑時でなければ車いすでも快適に移動可能です。レジカウンターも比較的利用しやすい高さに設定されており、支払いの際に不便を感じることはありませんでした。 
イメージ図
※「REVE DES LUMIERES」エリアのイメージ図

設備面
今回の取材で特に便利だと感じたのが、多機能トイレの配置です。
メインホールを出てすぐの場所に設置されているため、トイレを利用するために退場する必要がありません。
長時間の外出でトイレへのアクセスを重視する車いすユーザにとって、この配置は非常に大きな安心材料と言えるでしょう。
また、館内の2階・6階・8階にも多機能トイレが設置されています。
そのほか、東京ドリームパークには身障者用駐車場が整備されており、自家用車で来場する方にも配慮されています。さらに、チケットには障害者割引も用意されており、利用しやすい環境が整っています。
SGC HALL ARIAKEもチェック
また「REVE DES LUMIERES」の会場と同じく、バリアフリーにすぐれた「SGC HALL ARIAKE」の環境も確認しました。
約3,700席(最大約5,000人収容)の大型イベントホールで、音楽ライブや各種イベントの開催が予定されています。
車いすスペースは各階に設けられており、イベントによっては1階最前列付近を利用できるケースもあるとのこと。車いすユーザが他の会場ではなかなか実現できない近距離でステージを楽しめる場合があります。
車いすで来場する場合は、東京ドリームパーク2階正面入口の左側にある外通路を進み、奥のエレベーターで1階へ移動するルートがおすすめです。
また、各階すべてのフロアに多機能トイレが設置されています。避難経路についてもスロープが整備されており、非常時の移動にも配慮されています。
施設情報
所在地:東京都江東区有明3丁目3番8
規模:地上9階・地下1階
開業日:2026年3月27日
今回の取材を通して強く感じたのは、「移動のしやすさ」と「鑑賞の自由度」の高さでした。
REVE DES LUMIERESは単にバリアフリー設備が整っているだけではありません。好きな場所で、好きな角度から作品を体験できるという施設のコンセプトそのものが、多様な身体条件がある人々にとっても楽しみやすい環境につながっています。
特に、姿勢に制約がある方やリクライニング機能付き車いすを利用している方にとって、一般的な劇場や映画館では得られない体験ができる施設だと感じました。
なお、最寄りの国際展示場駅から施設までは徒歩約9分ですが、途中に長い上り坂があります。電動車いすであれば大きな負担は感じませんでしたが、手動車いすを利用する場合は介助者と一緒の来場が安心かもしれません。
また、光や映像による演出が特徴の施設であるため、光刺激に敏感な方は事前に公式サイトで展示の雰囲気を確認したり、サングラスを持参すると、より快適に楽しめるでしょう。
光と音が織りなす幻想的な世界と、高いアクセシビリティを両立した「REVE DES LUMIERES」。新しいエンターテインメント体験を求める方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。





