誰もが楽しめるスポーツ!モルックがつなげる共生社会

障がいのある方々にとって、スポーツは単なる運動ではなく、社会とのつながりや自己表現の場として重要な役割を果たします。
そのような中、近年注目を集めているのが、フィンランド発祥のスポーツ「モルック」です。
本記事では、モルックの魅力や歴史、誰もが楽しめるポイント、そして日本モルック協会の取り組みについて、広報担当・松田さんへのインタビューと編集部員の体験を交えてご紹介します。

写真:モルックを体験している所

モルックとは

モルックは1996年に、フィンランド東部にあるカレリア地方発祥のキイッカというゲームを元に開発されたチームスポーツです。
現地ではサウナやビールを楽しみながらプレーするアウトドアアクティビティとして親しまれており、競技性よりも「楽しむこと」に重きを置いた文化が根づいています。
日本では、2010年に日本人チームが初めて世界大会へ出場し、翌年から国内でも知られるようになりました。そして、2020年のコロナ禍に起きたアウトドアブームも追い風となり、ソーシャルディスタンスを保ちながら楽しめるスポーツとして注目を集めています。

モルックは、木製の棒(モルック)を投げて、数字が書かれた12本のピン(スキットル)を倒し、得点を競うシンプルでありながら戦略性の高いゲームです。

モルック(投げる棒)は長さ約22cm、太さは500mlペットボトル程度。スキットル(ピン)は長さ約12cm、太さは500ml缶ジュース程度で、1〜12の数字が書かれています。

ゲームを始めるには、スキットル(1〜12番)を決められた配置へボーリングのピンのように三角形に並べます。そして、約3〜4メートル離れた位置に投げる場所(モルッカーリ)を設定すれば準備は完了です。

モルックの道具

イラスト:左から「モルック」真ん中に「スキットル」右には「モルッカーリ」の絵
モルック: 投げる棒のことをモルックといいます。
スキットル: モルックを投げて倒す木製のピンです。
モルッカーリ: モルックを投げる位置を示します。

モルックの基本(ルール)

モルックは、モルック(棒)と12本のスキットルを使い、1対1でも複数人のチームでも対戦できるゲームです。
スキットルには1から12までの番号が付いており、プレイヤーはモルック(棒)を投げてスキットルを倒し、得点を重ね、先に50点ちょうどを獲得することをめざします。
もし50点を超えてしまった場合、得点は25点に減点されます。

(注)詳しいルールは下記をご覧ください。
一般社団法人 日本モルック協会(新しいウィンドウが開きます)

モルックの最大の魅力と特徴

写真:室内の人工芝の上で「モルック」をやっている所モルックの最大の魅力は、年齢や体力に関係なく、誰もが参加できるユニバーサルなスポーツであることです。シンプルなルールで、力もそれほど必要とせず「世代を超えた共闘」が実現できます。
実際、小学生・親・祖父母の三世代でチームを組み、大会に出場する例もあります。
年齢や性別、障がいの有無を問わず、幅広い人たちが楽しめ、激しい動きがないため、ケガの心配も少なく、安全に楽しめる点は、子どもから大人まで楽しまれる魅力の一つです。
また、モルックは屋外・屋内どちらでもプレーが可能です。屋外では公園やグラウンド、屋内では体育館が利用されています。ただし、屋内で行う際には木製の用具が床を傷つける可能性があるため、人工芝やマットを敷くなどの工夫が必要です。

日本モルック協会の松田さんへインタビュー

「障がいのある人もない人も、同じ条件で競技できる。それがモルックの本質です」。
この理念を実現するため、「デフモルック交流大会」を開催し、耳が聞こえる人と聞こえない人が混合チームを組み、手話を交えながらプレーすることで、言語の壁を越えた交流が生まれています。
また、2025年春から夏にかけて「モルックを届けるプロジェクト」を実施しました。
これまでに約200箇所の障がい福祉サービス事業所や特別支援学校へモルックセットを寄贈し、講師を派遣して体験会をサポートするなど、普及活動も積極的に進めています。
さらに、日本モルック協会では、モルックをオリンピックの正式種目にすることをめざしています。
モルックは、障がいの有無に関係なく、誰もが同じフィールドで公平に競技できるユニバーサルスポーツです。パラリンピックのように障がい者に限定するのではなく、すべての人が一緒に戦える競技として、世界に広めたいと考えています。

一般社団法人 日本モルック協会

所在地:埼玉県さいたま市南区神明1丁目4番15号
一般社団法人 日本モルック協会についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

体験した編集部員からのコメント

写真:2枚の写真から左は前から移した写真、右の写真は後ろから移した写真を室内環境のブルーシートの上で編集部員の車いすユーザが「モルック」をやっている所

今回、初めてモルックを体験しました。体験のために伺ったのは、「NPO法人大田区障がい者スポーツ指導者研究会 モルック部」です。
事前に、主催者の方から障がいの程度に応じてローカルルールを取り入れることも考えていただけると伺っていたので、誰でも参加しやすいと思いました。
体験会では、3対3の2チームに分かれて戦ったのですが、試合が進むにつれて自然とチーム関係なく盛り上がりました。
高い点数を狙って1本だけ倒そうとする人、スキットルを数多く倒そうとする人など、人それぞれです。
モルックで狙いどおりにスキットルを倒せたときは、盛り上がるのですが特に50点となる点数のスキットルを最後に倒すとさらに大盛り上がりでした。
「最後に倒す快感を覚えるとやめられないですよね」と同じチームの方がおっしゃってました。
意外と頭も使うスポーツなので、この面白さを一人でも多くの人に知ってもらいたいです。

イラスト:編集後記

写真:モルック競技で使う「スキットル」いかがだったでしょうか。誰もが楽しみながら対戦できる「モルック」。今回は車いすユーザも、健常者と同じルールで楽しんでいたのがとても印象的でした。
私が感じたことは、「まずは体験してみること」が第一歩です。簡単なルールでありながら、やればやるほど奥深さを感じさせるスポーツです。ぜひ、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。

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