ゆうゆうゆう編集部員座談会「障がい者雇用について:後編」

2019年12月10日掲載

前編では、仕事を選ぶ条件や障がい特性にあった仕事があるかなど体験談を交えて語りました。後編では、働く上でのバリアとそれを取り除くためにはどうすればいいのか編集部員たちが考えました!

写真:各編集部員たちの働いている様子

働く障がい者は年々増え続けているけど、職場定着率は決して高くないという現実。

就職してから1年後の定着率は、身体障がい者と知的障がい者が6割以上。精神障がい者は5割に届かないのが現状。
お互いに何を求めているのか分かっていない!?

誰もが働きやすい理想と現実の職場とは?

りょ: ネームバリューで会社を選ぶことは無かった?

およ: 知らないよりは、知っている会社のほうが安定して働けるのかなっていうのはあった。

ごう: 自分は、車いすユーザのせいか、そもそも応募できる会社が本当に無かった。
例えば、100件の求人があったとしたら、自分が望む条件で1件応募できそうな会社があればましだった。結局、若くて障がい程度の低い人からどんどん就職が決まっていくのが現実じゃないかな。

およ: 視覚障がいもそんな感じ。私は50社位面接受けたもん。

写真:ごう編集部員とおよ編集部員が話している様子

一同: およさん、頑張った!

ふじ: 1、2社面接受けて、受かる人は恵まれているんだね。けど、企業側はなかなか募集が集まらないって話しを良く聞くけどね。

ごう: 最近では、民間企業から官公庁(公務員)へ人が流れていっちゃうし。

ふじ: 少し前だけど、官公庁の求人で年齢制限が無かったから、応募人数が殺到して大変なことになってた。

およ: 私が就職活動をしていた10年以上前には、求人票に確か年齢制限あった気がする。

ごう: その後、法律が変わって求人票に年齢を出しちゃいけないってなったんだけど、障がい者雇用って未だに年齢制限あったりするよね。
最近の求人募集を見ていると、各種サポーター制度が完備されているところが多いけど、それで安心して働くことができるのかな?

りょ: 自分だったら身近な人に相談するのは嫌かな。相談しても、結局職場の人だからそれが嫌。
それだったら、外部委託の人のほうが相談しやすいと思う。イメージかもしれないけど、職場内で相談内容が広がるような気がして相談しにくい。

およ: 相談しても、きちんとそれを解決してくれるかどうかじゃないの?

ふじ: 精神障がいの人だと、元々外部の支援者に相談してたりするよね。ある一定期間だけでも相談できると違うのかも。

およ: 確かに、社内の人にはいいにくいかも。職場内のサポートが充実する一方、言ったところでっていう思いがあって、相談できないのかもね。

ごう: これが例えば、地方だったらって考えるともっとシビアな気がする。

ふじ: だから、みんな都市部に集まっちゃうんだろうね。

およ: 生活のしやすさを比べたら、都市部のほうが暮らしやすいって思うもんね。地方は、福祉があまり充実していないって感じがする。

ごう: 最近では、重度障がいの人が通勤のとき介助制度が使えないとかって問題になってたよね。
一部の地方自治体では、国会より先に法案を通すため頑張ってるところはあるけどね。財源の問題があるから、その部分がクリアにならないと先には進めないような気がする。

ふじ: 働くとなったら「介助制度」の一部分も使えないってことにびっくりしたけどね。

ごう: そう!働きたくても、すでに働くことをあきらめてる重度障がいの人は、求職中の扱いにはカウントされていないでしょ。だから、そういう人たちを掘り起こすことができれば、まだ障がい者雇用率は伸びると思うんだよね。
そもそも法定雇用率って、達成するのがそんなに難しいことなのかな?

ふじ: 難しいと思うよ。特に中小企業にとっては。

写真:ふじ編集部員とりょ編集部員が話している様子

ごう: ただ、障がいの種別や程度って人によって違うから、バリアフリー環境みたいな設備投資が必要な人ばかりではないよね。

りょ: 設備投資が必要ない人は取り合いになってしまうんじゃない?障がいレベルが軽くて優秀な人は、よりよい条件の企業を求めると思う。

およ: そうだよね。だけど、雇う側にも障がい者を雇用するためのノウハウが無いから雇えないとか、イメージだけで雇えないと思い込んでる部分もあると思う。

ふじ: こんなこと頼んでいいのかなとか、突然休まれちゃうかもしれないとか、そういうイメージは根強いのかも。

ごう: 社会に出てからじゃないとこういう情報って得られないから、小中学校とかでちょっとずつ勉強とまでは言わないにしても、障がいについて教えてくれればバリアって無くなると思わない?

およ: 思う!私、小中学校にパラスポーツ体験授業の講師として行くけど、今の子供たちって結構障がいについて知ってる!
年齢が高い人ほど、障がいに関して知らないって感じる。だから、雇用する側の人たちが障がいに関する知識が無いのは仕方がないって思う。

りょ: およさんと同じく、小中学校に研修に行くと子供たちはバリアなくスッて素直に受け入れてくれる。だからこそ、小さいころからの教育って大事だと思う。

ごう: 来年の大会の影響かな!?
そう考えると、2020も捨てたもんじゃないって実感する。

ふじ: 最近、メディアでも障がいのある人が取り上げられるようになったのも大きいと思う。

ごう: 高齢化社会で労働力は減る一方、働ける人は働かなきゃ社会そのものが回っていかないよね。

ふじ: だからこそ、障がいのある人でも働きやすいように徐々に環境が整備されてきてるんだろうね。

ごう: 障がいのある人が働きやすい企業=誰もが働きやすい企業ってことかな。

およ: そう思う。子育てしている人、女性が活躍して働きやすいようになってきたよね。障がい者雇用は、ある意味ダイバーシティそのものかもしれない。

イラスト:編集後記

障がい者雇用は、まだたくさんの課題がある深いテーマだと思います。そのために法律の整備などが進められているところです。
障がい者雇用を取り巻く環境は、急激に変わるというわけでもないので、障がいがあることを打ち明けないで働く人もいます。しかし、それはお互いのためにはならずベストとはいえないでしょう。
障がいのある人が自分らしく働くために、お互いを知ること、歩み寄ることが必要ではないかと感じました。

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