瞬く速さで勝負する剣士!車いすフェンシング

写真:試合形式で剣を交えている様子

読者の皆さんは、障がい者スポーツである「車いすフェンシング」をご存じでしょうか?
このスポーツの存在自体を知らないという方が多いかもしれませんね。
実は、1960年に行われた、第1回ローマパラリンピックから正式種目として行われている競技です。
そこで今回、東京都北区立赤羽体育館で行われている「車いすフェンシング教室」に、車いすユーザのゆうゆうゆう編集部員が参加しましたので、その魅力をお伝えします。ぜひ、ご覧ください。

車いすフェンシングとは

写真:胸を突く練習をしている様子 車いすフェンシングは、2人のフェンサー(プレーヤーのこと)が向かい合い、上半身のみを使って競技をします。
男女ともに「フルーレ」「エペ」「サーブル」の3種目があり、個人戦・団体戦で競い規定されたポイントを先取した者が勝者となります。
車いすが固定されているため、可動範囲が限られているうえに逃げることができないのが特徴です。

【主な基本ルール】

写真:ピストの上で剣を構えている2人の様子 共通ルールとして、「ピスト」と呼ばれる細長い装置の上で車いすが動かないよう対面角度を110度に固定します。その他ピストでは、真ん中の軸で対面距離も調節します。
対面距離は、剣先を伸ばし腕の短い選手に合わせるため、リーチがハンデになることはありません。
障がいの程度によって「カテゴリーA」「カテゴリーB」とクラスが分かれています。

  • カテゴリーA…腹筋や背筋の機能があり、自力で体勢を維持できる。
  • カテゴリーB…腹筋や背筋の機能がなく、自力で体勢を維持できない。

カテゴリーAは、すばやい動きでぶつかり合うため迫力があります。カテゴリーBは、自分の得意な形で攻撃できるよう卓越した戦略性のある戦いが見どころです。

写真:マスクとその手前には、フルーレ、エペ、サーブルの剣が床に置かれている様子 「フルーレ」「エペ」「サーブル」の三種目は一般のフェンシングと同じく、剣や攻撃場所が種目により異なります。
(写真右:一番上の剣がフルーレ、真ん中の剣がエペ、一番下の剣がサーブル)

  • フルーレ…剣の持ち手に小さなツバがあります。胴体を突きのみで攻撃します。
  • エペ…剣の持ち手に大きなツバがあります。上半身を突きのみで攻撃します。
  • サーブル…剣には握り手までツバがあります。上半身を突きおよび斬りで攻撃します。

ルールの詳細はこちら「NPO法人日本車いすフェンシング協会」(新しいウィンドウが開きます)

ゆうゆうゆう編集部員がフェンシングを体験!

写真:編集部員が剣の持ち方を教わっている様子 「車いすフェンシング教室」では、基本ルール、競技時間の説明のほか、剣を持って形(突きの練習)を行いました。剣は見た目よりも軽く感じましたが、相手の攻撃をかわす動作やその後の攻め方が想像以上に難しかったのが印象的でした。
練習場では、剣独特の乾いた金属音が大きく響き渡り、迫力満点でした。
約2時間の体験でしたが魅力を十分感じることが出来ました。

フェンサーの牧野さんからのコメント

写真:牧野さんが剣を持ち構えている様子 この競技を始めたのは、ちょうど1年ほど前です。始めは月1ペースでしたが、だんだん面白くなってきて、最近は毎週のように練習に励んでいます。勝負に勝ちたいという欲求で続けています。
僕は、この競技を始めるまで車いすフェンシングのことは知りませんでしたが、協会から装具など一式が借りられるので、知っていたらもっと早く始めていたかもしれないです。
10月に行われた「2017年車いすフェンシング日本選手権大会・国際親善大会」では、フルーレとエペでベスト8になり、やる気がでました。
この競技は個人との戦いだし、競技人口も少ないので2020年東京パラリンピックまでの間に突然強い選手がでてくる可能性も秘めています。そういった意味でも面白いと思うので、もっとたくさんの人に知ってもらいたいですね。

教室主催ご担当者からのコメント

写真:ピストの装置の上に車いすをセッティングした様子 東京都北区では、北区からのパラリンピアン輩出を目的として「北区車いすフェンシング教室」を平成27年度より主催事業として実施しております。
これまで、NPO法人日本車いすフェンシング協会と協力しながら選手育成を行うとともに、ハード面においても、北区立赤羽体育館での教室運営に必要な「車いすフェンシング競技用の車いす」や「ピスト」の購入等を行ってきました。
教室開始後2年以上経過しましたが、教室受講生も順調に増加しており、選手の競技力も向上しています。
競技の知名度はこれからさらに伸びていくものと考えていますが、区としても、様々な場面でこの「北区車いすフェンシング教室」を外部に強くアピールしていきたいと考えています。
教室受講生がさらなる成長を遂げ、2020年東京パラリンピックに出場できることを期待しています。

イラスト:編集後記

NPO法人日本車いすフェンシング協会によると、現在国内の車いすフェンシング競技人口は約50名です。また、練習場は、札幌・東京・京都とまだ3箇所のみしかありません。
競技を普及させるため様々な体験会を行っていますが、練習場が少なく思うように競技人口が増えていません。なお、競技力向上には指導者の数を増やさなければならないのも課題です。
今回、取材で伺った練習場では、基礎となるフォームを真剣に繰り返し行っているフェンサーの姿が印象的でした。瞬時の駆け引きで勝敗が決まるこのスポーツは、頭で考えるよりも体が先に動くようにフォームを体に覚え込ませます。
たとえ身体に障がいがあっても、ファイティングスピリットの強い方は、はまってしまうかもしれませんね!

写真:男性のフェンサーを女性のフェンサーが攻めている様子

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