共生社会の実現へ向け「日本財団パラリンピックサポートセンター」(後半)

「i enjoy!」の舞台上でスタッフみんなの写真

パラスポーツが自然と広がる世の中へ

聞き手:支援する中で工夫されていることはありますか?

パラサポ:ここは共同オフィスになっていて壁や仕切りをなくし、各競技団体間の横のコミュニケーションをとりやすいようにしています。
例えば、陸上3団体などは隣り合う席になっていて、情報のやりとりやノウハウの共有が自然に生まれる環境です。
私たち自身も各競技団体の皆さんとのコミュニケーションがしやすいですね。
2020年に向けて、大会やイベントなどがどんどん東京に集中してくると思います。
本部が東京以外にある競技団体もありますので、サテライト的に使っていただくことも可能です。
センター中央の打ち合わせスペースや会議室はもちろん、日本財団ビル内の大小会議室も、取材や打ち合わせに使っていただいています。

聞き手:確かに、障がい者スポーツ競技団体同士のつながりというのは大事ですよね。
工夫したことで、良かったことなどありますか?

パラスポに入居している一部の団体が隣合わせに机を並べた配置の模様

パラサポ:やはり、同じフロアにオフィスを構えていることで、競技団体同士のコミュニケーションがしやすいという声はいただきますね。
もう一つ、メディアセンターを設置したところ。現在100名程度の新聞・TV・ラジオ等の記者が登録しています。パラサポから競技団体のリリースや取材案内をメール発信したり、センターで記者会見を開催することもあります。登録記者の皆さんはセンターに入館が可能で、競技団体との距離感もずいぶんと近くなったと感じています。
メディア報道関係者のみなさんから情報が収集しやすくなった、取材などがしやすくなったという声もあります。

聞き手:まだ始まったばかりではあると思いますが、パラサポの活動の中で印象的なことなどありましたか?

パラサポ:2015年11月に駒沢陸上競技場で、パラサポが主催したイベント「パラ駅伝 in TOKYO 2015」を行いました。当日は、SMAPや宝塚歌劇団・星組のみなさんが応援にかけつけて下さって、駒沢競技場がほぼ満員になりました。

聞き手:ニュースでも取り上げられていましたよね。どういう内容のイベントだったのですか?

パラサポ:駒沢公園を、視覚、知的、聴覚障がいのランナーや、車いすランナー、そして健常ランナーと、障がいのある方、ない方がいっしょに一つのチームをつくり、たすきをつないで走りました。
競技場内の1万4千人の観客そして沿道の皆さんが、目の前を走るランナー全員に「がんばれ!」と声援を送ってくださいました。
みんなランナーが走っている限り、「がんばれ」と拍手して声援を送っていました。
聴覚障がいのランナーには拍手の音が聞こえないので、手をヒラヒラさせる拍手をします。 応援している人たちはそれがわからなくて、最初は普通に拍手しているのですが、だんだんと「ああ、聴覚の人の場合はこうするんだ」と、手をヒラヒラさせ始め、それが波のように広がっていくんですよね。
「きっかけはSMAPファンとして競技場へ足を運びましたが、応援をする中でランナーの走りに感動し、これからもパラスポーツを応援していきたい」。こんなうれしい声が、パラ駅伝終了後もたくさん寄せられました。
また、群馬チームから参加した中学生のブラインドランナーは、テレビ局の取材で、「東京2020パラリンピックというものを意識するようになりました」と話していました。 このイベントをきっかけに、2020年東京パラリンピックっていったいどんなものなんだろう、私も目指せるんじゃないかと思ってくれる人が増えたらいいですね。

聞き手:多くの人がパラスポーツを知る機会だと思いますし、「自分にも何か出来るかも!」と思えるイベントではないでしょうか。他にも何か考えていることありますか?

パラサポ:今年度の新しい事業として、子どもたちに本物の迫力あるパラスポーツを体験してもらうパラスポーツ体験型授業「あすチャレ!School」(「あすチャレ!School」についてはこちら(新しいウィンドウが開きます))が始まりました。2016年度は全国の小・中・高校100校で授業を行う予定です。
子どもたちがサッカー選手に憧れるのと同じように、障がい者スポーツ選手のことを純粋に「すごい!かっこいい!」と思ってもらいたいですね。小さいころからそれが当たり前になれば、親も含めパラスポーツを自然と観戦しに行くようになると思います。
また、この体験授業を通じ、気づいたことや感じたことを、子どもたちの「明日へのチャレンジ」として、次への「行動」に移していってもらいたいと願っています。
さらに、今年度はアジア圏の障がい者スポーツ振興のための支援等、海外との連携も行っていく予定です。

聞き手:世界レベルの大会になるので、海外との連携も必要ですし、子どものころからパラスポーツに触れていることは大事ですよね。リオパラリンピックに向けて、意気込みなどありましたら教えてください。

パラサポ:4年に一度しかないパラリンピック。まさに今年2016年のリオデジャネイロ2016パラリンピック競技大会を、いかに日本のみなさんに興味を持ってもらえるか、面白いなと思っていただけるか、これが2020年の成功に欠かせない大きなポイントだと認識しています。
今年9月のパラリンピックをいかに楽しんでもらえるか、魅力を知ってもらえるか、これからそういったところにフォーカスした広報もどんどん展開して発信していきたいですね。

聞き手:最後に、今後の展望や伝えたいことなどありましたらお願いします。

パラスポ広報プロジェクトリーダーと弊社編集部の模様

パラサポ:パラサポは「i enjoy ! ~楽しむ人は、強い。」をキーメッセージにしています。これは、パラアスリートの皆さんにお会いしたり、応援した中で感じたことを言葉にしたものです。 スポーツをしている瞬間が楽しい、強くなることがうれしい、だからもっともっと強くなりたい。だから、楽しむ人は強い、というメッセージです。
そして、「i」はアスリート個人でもあり、皆さんの自分自身の「i」でもあると考えています。応援することを心から「楽しんでいる」観客で、2020年の東京パラリンピックの競技会場がいっぱいになることを想像するとワクワクしますね!

聞き手:2020年に向けて、さまざまな取組みが進んでいくと思います。
当事者の私たちも一緒にできることを協力したいです。
どうもありがとうございました。

共生社会の実現へ向け「日本財団パラリンピックサポートセンター」(前半)

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