手話歌を通して・・・ 2/3

復興支援活動でつながる不思議な縁

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聞き手:私もニュースなどで見ていて、何て言っていいかわからなかったです。どのような支援活動をされているのでしょうか。

水戸:最初は物資を届けたり、東京で義援金を集めてろうあ協会に届けたりしました。震災の2か月前に仙台の、テレビ電話などで遠隔から手話通訳をしてくれる「プラスヴォイス」の三浦社長やスタッフの皆さんとお知り合いになり、支援活動のお手伝いをさせていただくようになりました。
震災後1か月が経ってから支援物資を持って南三陸町へ行き、聴覚障害者の情報を求めると、聞こえなかった事で逃げ遅れたり、避難所でコミュニケーションがとれず大変な思いをした話など辛い現状でした。

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聞き手:避難所などで聴覚障害者の方にお会いできましたか?

水戸:避難所では、お会いできませんでしたが、私の地元の支援物資を配る場所に、聴覚障害者の方が集まるということで行きました。
お話を聞くと、家が流されてしまった方もいたり、家は無事だったけど買い物ができない、食べ物や水が足りないといった状況でした。
ボランティアなど制限がありましたが、テレビで聞いていた情報とは違う現状を苦しいほど感じました。

聞き手:実際に行って気づくことなどもありますよね。その他にはどのようなことをされているのですか。

水戸:チャリティーライブや復興支援ライブ、地方の講演などに参加しています。プロ野球チーム「東北楽天イーグルス」のジュニアコーチが、南三陸のリトルリーグの子どもたちと野球イベントを行ったこともありました。
そこでライブを行い、子どもたちも大人たちも、一緒に手話を使って楽しく歌ってくれる様子を見て、子どもの笑顔はみんなの元気の源だなと感じました。それと、私の中ですごく大きな出来事がありました。
新聞やテレビでも紹介していただきましたが、南三陸で最後まで防災無線で避難を呼びかけた遠藤未希さんという方が津波で亡くなられ、5月4日に葬儀がありました。そこで、歌を歌ってもらえないかという話をいただいたのです。
この日は、南三陸で被災された方とボランティアに来ていた方とが結婚し、お祝いを兼ねたライブを予定していたのですが、町全体がそういう雰囲気ではなくなり、中止になりました。
しかし、ライブを企画して下さっていた方が未希さんのご両親のお知り合いでもあり、明るく送り出したい気持ちと、未希さんは9月に結婚式の予定だったことから、「Wedding Road」を歌ってほしいとのことでした。
私は、未希さんと面識がありませんでしたし、葬儀で歌うなんて考えたこともなかったので、本当に迷いました。しかし、勇敢な行動をとられた未希さんにこのような形ですが、お会いすることができるなんて光栄だと思い、お引き受けしたのです。
この曲は、お父さんとお母さんへの感謝をこめて書いた曲なので未希さんになったつもりで思いが届けられればと思って歌いました。

聞き手:偶然とはいえ、不思議なつながりを感じますね。

水戸:それだけではありません。未希さんと旦那さんは、専門学校で手話を勉強していた時に知り合ったそうで、手話でも繋がっていたのは本当に信じられないほど驚きました。
実は、葬儀前日に仙台ですごく不思議な虹を見ました。今まで見たこともないほどくっきりとまっすぐな虹と、太陽の周りを囲む丸い虹の2つの虹です。
後々知りましたが、未希さんがみつかってお家に戻った時に出た虹だったそうです。虹はきっと未希さんが、何かを伝えたいメッセージとして私を導いてくれたような、本当に不思議な縁を感じました。

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