2.ロービジョンリハビリテーションと眼科医療の役割

私のロービジョンケア(LVC)にかける思いを端的に表現すると、保有視機能を最大限に活用してQOLの向上を目指すものが私のLVCです。このQOL(Quality of Life)のLifeには3つの意味があります。すなわち生命、生活、人生で、これらの質の向上を目指すものが、各々医学、LVCと包括的リハビリテーションです。

このLVCを私が如何に学んでいったかをお話ししましょう。
第1回で述べましたようにLVCを知った私が、当時それを学ぶ場は厚生省主催視覚障害者用補装具適合判定医師研修会しかありませんでした。LVCに関する和文の教科書はほとんどなく、すべからく私の師匠は患者さん、視覚障がい者の方々でした。一方、視覚障がい者の方々が持つ問題が医療だけでは全て解決できないのは自明のことであり、多くの他職種の人たちとの学際的連携が重要であると考え、北九州視覚障害研究会や九州ロービジョンフォーラムを発足させました。これらが、2000年の日本ロービジョン学会発足に繋がっていきます。そして、この仲間との体験を一冊にまとめたものが「ロービジョンケアの実際 視覚障害者のQOL向上のために」(医学書院)です。

写真:「ロービジョンケアの実際」視覚障害者のQOL向上のために 医学書院 の表紙そもそも、眼科医療は眼疾患や視機能障がいを診るのですから、そこから発生する不自由さや日常生活動作の支障を考えると、私たち眼科医は患者さんの目の使い方、適切な視覚補助具や視環境等々のアドバイスはごく普通にできるはずです。場合によっては心のケアを行いながら、「できなくなった」日常生活動作を一つひとつ「できる」ようにすることで自信が回復することがあります。そのことが学校や職場など社会復帰へ繋がっていくことを当事者や家族が実感できることも大切なことです。

そのためには、寄り添いながらニーズに対応していくだけのLVCでは十分でない、という考えに至りました。それは、寄り添うところから一歩踏み出し、患者さんの抵抗を知りつつも患者さんの背中を押すことの必要性です。これは患者さんの意に沿わぬことを押し付けているように傍からは見え、医療スタッフに誤解を生じることも時にはありますが私はこれをロービジョンリハビリテーション(LVR)と呼び、これこそが眼科医療の役割と認識しています。

また、他の身体障がいでは早期リハビリテーションがその予後を左右するといわれており、LVRでも同様と考えます。これには、視能訓練士や看護師などのコメディカルとともに生活支援の立場から展開させていくことが大切です。

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